エアライン — 2017年10月7日 21:10 JST

ANA、南三陸で森林保全活動 篠辺副会長「よい森でよい海ができる」

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 全日本空輸(ANA/NH)を中心とするANAグループの社員有志が10月6日と7日の2日間、東日本大震災で被災した宮城県南三陸町の「こころの森」で、森林保全活動を行った。ANAホールディングス(9202)の篠辺修副会長とANAの平子裕志社長をはじめ72人が参加し、ヒノキやスギの伐採、枝打ちなどを実施した。

南三陸町のこころの森でヒノキを伐採するANAの平子社長=17年10月6日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

熊本地震でも「こころの湯」を提供したANA=16年6月14日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

 ANAは2011年3月11日に起きた東日本大震災後、除雪車の給湯機能を活用し、仮設住宅へ風呂を提供する「こころの湯」を、南三陸町の避難所で同年4月から2カ月間実施。こころの湯は、2004年10月23日に起きた新潟中越地震から始めた取り組みで、中越地震では31日間にのべ2473人が、東日本大震災では63日間にのべ2237人が利用し、2016年4月の熊本地震でも震源に近い益城町と南阿蘇で、お湯を提供した。

 南三陸町でのこころの湯の提供は、東日本大震災の発生後、ANAがこころの湯の提供地域を選定していた際、中越地震で交流のあった業者から南三陸町の避難所で要望があると電話があり、支援先に決めた。

 その後、2012年7月に地域の雇用創出や活性化につながる支援として、南三陸町にある10ヘクタールの森を「こころの森」として借り受けた。志津川町入谷生産森林組合と使用協定を結び、南三陸森林組合とANAグループが森を管理し、間伐材を使ったピンバッジやバゲージタグなどのグッズを、ANAの通販サイトなどで販売している。

 今年で6年目を迎えたこころの森での森林保全活動は、主に7月と10月の年2回実施。今回はパイロットや客室乗務員、整備士などさまざまな職種の社員が参加。6日は初心者と上級者の2コースに別れ、伐採や枝打ちなどを森林組合の人たちとともに行った。

 大学時代はよく山に登ったという平子社長も、のこぎりでヒノキを伐採した。「木を切るのは初めてで、大変でした」と感想を述べ、「地域貢献を体で体験することが大事」と社員がボランティアとして参加する意義を語った。

 ボーイング777型機の副操縦士、久賀俊裕さん(35)は「航空大学校出身で、仙台には半年ほど住んでいたので、少しでも協力できないかと参加しました」と話した。予約センターに務める枦山(はぜやま)彩乃さん(27)は、高校まで仙台に住んでいたが、東日本大震災の時には離れていた。「震災発生当時、友人たちに何もできず、済まないという気持ちがありました」と今回参加した理由を話す。枦山さんは今後、被災地の復興が場所によっては進んでいないことなどを、職場の同僚に知ってもらえるようにしたいという。

 こころの森開設当時から活動に関わる篠辺副会長は、「よい森ができるとよい海ができ、よい海ができれば、よい魚や貝が捕れるようになる」と、森林保全が林業だけではなく漁業の活性化にもつながると、取り組む意義を話す。「今年からバスを2台に増やし、参加できる人数を2倍にしました。活動の裾野を増やすことが大事ですね」と語った。

南三陸町でANAが借り受けたこころの森=17年10月6日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

南三陸町でANAが借り受けたこころの森=17年10月6日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

こころの森に到着したANAの平子社長ら=17年10月6日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

こころの森で社員にあいさつするANAの平子社長=17年10月6日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

こころの森で社員にあいさつするANAHDの篠辺副会長=17年10月6日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

こころの森に集まったANAグループの社員有志=17年10月6日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

こころの森で集合写真を撮るANAグループ社員=17年10月6日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

作業前にヘルメットを受け取るANAグループ社員=17年10月6日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

こころの森がある山を登るANAグループ社員=17年10月6日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

こころの森がある山を登る(右から)ANAHDの篠辺副会長とANAの平子社長=17年10月6日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

途中にはANAとボーイングによる植樹も=17年10月6日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

こころの森の作業エリアに向かうANAグループ社員=17年10月6日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

こころの森の作業エリアに向かうANAグループ社員=17年10月6日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

こころの森の作業エリアに向かうANAグループ社員=17年10月6日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

のこぎりで伐採するANAHDの篠辺副会長=17年10月6日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

のこぎりで伐採するANAHDの篠辺副会長=17年10月6日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

こころの森で伐採するANAHDの篠辺副会長=17年10月6日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

こころの森で伐採するANAHDの篠辺副会長=17年10月6日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

こころの森で伐採するANAHDの篠辺副会長=17年10月6日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

こころの森で伐採するANAHDの篠辺副会長=17年10月6日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

ANAHDの篠辺副会長が伐採した木=17年10月6日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

こころの森で伐採を終えたANAHDの篠辺副会長(右)=17年10月6日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

南三陸町のこころの森でヒノキを伐採するANAの平子社長=17年10月6日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

南三陸町のこころの森でヒノキを伐採するANAの平子社長=17年10月6日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

南三陸町のこころの森でヒノキを伐採するANAの平子社長=17年10月6日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

切り株に触れるANAの平子社長=17年10月6日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

切り株に触れるANAの平子社長(右)とANAHDの篠辺副会長=17年10月6日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

切り株をスマートフォンで撮影するANAの平子社長=17年10月6日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

ANAの平子社長が伐採したヒノキ=17年10月6日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

伐採した木の枝を払うANAHDの篠辺副会長=17年10月6日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

伐採した木の枝を払うANAグループ社員=17年10月6日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

こころの森で木を伐採するANAグループ社員=17年10月6日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

こころの森で木を伐採するANAグループ社員=17年10月6日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

こころの森でANAグループ社員が伐採した木=17年10月6日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

関連リンク
全日本空輸

熊本被災地「こころの湯」で会話楽しむ ANA、除雪車でお風呂(16年6月17日)

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