エアライン, 空港, 解説・コラム — 2017年9月26日 17:41 JST

JAL、ハワイアン航空と提携　18年3月からコードシェア、特典航空券やマイルも

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　日本航空（JAL/JL、9201）は9月26日、ハワイアン航空（HAL/HA）と包括的業務提携契約を締結した。双方の日本－ハワイ路線でのコードシェア（共同運航）やラウンジの相互利用、マイレージプログラムの提携などを、夏ダイヤが始まる2018年3月25日から順次開始する。将来的には、ハワイ－アジア市場での事業展開に向け、共同事業（JV）の検討を進める。

ハワイアン航空のマーク・ダンカリー社長兼CEOから同社のA330の模型を手渡されるJALの植木義晴社長＝17年9月26日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

　コードシェアの対象となるのは、JALが成田－ホノルル線とコナ線、関西－ホノルル線、中部－ホノルル線、ハワイアン航空便と乗り継ぎできる国内線とアジア路線。ハワイアン航空は成田－ホノルル線、羽田－ホノルル線とコナ線、関西－ホノルル線、札幌（新千歳）－ホノルル線、JAL便と乗り継げるハワイアン航空のハワイ州内路線が対象で、いずれも3月25日開始を予定している。また、ハワイアン航空便を使った旅行商品を、JALグループの旅行会社であるJALパックが販売する。

　ハワイアン航空はこれまで全日本空輸（ANA/NH）とコードシェアを実施してきたが、提携を解消する。

　マイレージは、両社のマイル会員がコードシェア便でマイルを貯めることが可能。特典航空券についても、2018年度以降準備が整い次第始める。

　ラウンジは両社が運営する日本とハワイのラウンジが、双方で利用できるようになる。

　また、ハワイアン航空が成田空港で乗り入れるターミナルも変更。現在は第1ターミナルに乗り入れているが、JALが利用している第2ターミナルへ移転を計画している。

　JALの植木義晴社長は、「1954年2月にハワイ路線を開設し、代表路線と言っても過言ではない」と述べ、「日本とハワイを結ぶ1日7便を（新仕様機の）スカイスイートで運航しており、年末年始は1便をファーストクラスがあるフラッグシップのボーイング777-300ERを投入する」と、JALの重要路線であることを強調した。

　ハワイアン航空のマーク・ダンカリー社長兼CEO（最高経営責任者）は、「お互いに自国の文化に根付いたサービスを提供しており、JALは理想のパートナーだ。ハワイアンも温かいもてなしを得意としており、搭乗した瞬間からハワイのバケーションが始まる」と、共通点を挙げた。

　日本とハワイを結ぶ路線は、競争が激化している。競合のANAは、2019年春から成田－ホノルル線に総2階建ての超大型機エアバスA380型機を投入。関西空港発着では、エアアジアX（XAX/D7）が6月から以遠権を行使し、クアラルンプール－関西線の一部をホノルルへ延伸している。12月からは、シンガポール航空系LCCのスクート（TGW/TR）も、関西－ホノルル線を就航させる。

　JALは国の監視期間が終わった今年4月以降、7月にベトナムのLCCのベトジェット航空（VJC/VJ）と、9月にインドの財閥タタ・グループの新興航空会社ビスタラ（VSS/UK）と提携するなど、国際線路線網の強化を進めている。

　今回の提携で、ハワイへの観光旅行を開拓したJALと、地元・ハワイ州内路線に強みを持つハワイアン航空の強者連合が誕生した。