スターフライヤー(SFJ、9206)が12月11日に受領した、同社初の自社購入機となるA320型機の8号機(登録番号JA08MC)が14日午後1時20分、北九州空港へ到着した。年内に国内線などで運航を開始する予定。
8号機は双発機のエンジンが1基停止しても洋上飛行が可能な「ETOPS(イートップス)」を、SFJでは初取得。洋上でエンジン1基が停止しても最寄りの空港に緊急着陸できる。8号機は2時間飛行できるETOPS 120を取得した。2013年3月受領予定の9号機(リース導入)もETOPS 120を取得し、13年のゴールデンウィークまでに就航を計画している北九州-グアム線は、8号機と9号機で運航する。
8号機の座席数はシングルクラスの150席仕様で、エンジンはCFMインターナショナル社製CFM56-5B4/Pを搭載。機体後部に7号機までは「City of Kitakyushu」と書かれていたが、8号機は「Heart of Kitakyushu」とした。機内仕様はほぼ従来通りだが、ギャレー(厨房設備)がエアバスが手がけるカタログ掲載モデルになった。7号機まではSFJがギャレー製造メーカーを選定していた。
SFJは11年に3機のA320の購入契約をエアバスと締結している。購入機はオペレーティング・リースと比べて返却時の整備コストを削減できるほか、リース契約に縛られずに計画的な整備が行えることから導入した。SFJの米原愼一社長によると、新造機を自社購入した新規航空会社は初めてだという。
SFJのA320の座席数は4号機までは144席、5号機からは150席で、A320を大量導入している低コスト航空会社(LCC)で標準的な180席仕様と大きく異なる。このため、リース会社が返却された機体を再リースしにくい。SFJとしても、機体改修に制約があるなどが懸案となっていた。
SFJでは13年3月末までの12年度内に3機受領し、13年度は4機を受領予定。リース機の返却が13年度から始まるため、13年度末に11機稼働する体制にする。
また、13年6月に導入する10号機からは、空力性能を向上させて燃料消費を約4%削減する翼端の「シャークレット」を導入する。米原社長によると、10号機以降はシャークレット導入機になるという。エンジン換装型で開発中のA320neoについては、当面予定はないとしつつ、「どこかの時期で検討することになるだろう」(米原社長)と語った。
SFJは北九州空港の滑走路南側に自社格納庫を13年3月から建設を開始。11月末に竣工を予定している。
関連リンク
スターフライヤー
・スターフライヤー、北九州-グアム13年春就航へ 羽田-福岡は10往復に倍増
・全日空、スターフライヤーの筆頭株主に 持ち株比率18%
・スターフライヤー、中長距離国際線参入へ 中期経営戦略で