羽田空港の国内線ターミナルなどを運営する日本空港ビルデング(9706)は9月15日、国際線ターミナルを手掛ける東京国際空港ターミナル(TIAT)の第三者割当増資を引き受けると発表した。2018年4月以降に増資し、持ち株比率が51%になることから、TIATは空ビルの連結子会社になる。
TIATは、PFI事業である「東京国際空港国際線地区旅客ターミナルビル等整備・運営事業」を行うSPC(特別目的会社)として、2006年6月20日に空ビルが代表企業となり設立。航空会社など13の企業や金融機関が出資し、国際線ターミナルビルや駐車場などの建設や管理、運営を手掛けている。
一方、空ビルはTIATから施設維持管理業務や免税店運営などを受託。国際線ターミナルの管理や運営の中核業務を担っている。
現在の大株主は3社で、持ち株比率は空ビルが38.78%、日本航空(JAL/JL、9201)とANAホールディングス(9202)が19.36%ずつ。空ビルは28人の出向社員を派遣している。
現在の国際線ターミナルは、2010年10月21日に供用開始。今後2020年の東京オリンピック・パラリンピック開催に向け、TIATはターミナル拡充を計画しており、資金調達の一環として新株を発行する。空ビルは株式を追加取得する形で、第三者割当増資を引き受ける。
空ビルによると、2018年3月期の業績への影響はなく、TIATの経営体制なども現状通りだという。
国際線ターミナルの名称は、当紙が8月に報じたとおり、2020年3月末に「第3ターミナル」への変更を予定している。第2ターミナルへ新たに国際線が乗り入れることから、「第3」に変更することで、利用者にわかりやすくする。
羽田は2020年に向けて国際線の年間発着回数を、現在の9万回から飛行経路の見直しにより最大3.9万回増の12.9万回とし、国内線と合わせて48.6万回に拡大する計画。国際線の旅客数は、2015年の1259万人から1.6倍の1964万人に増える見通し。
国土交通省が8月29日に公表した、2018年度予算の概算要求によると、羽田関連の要求額は前年度比103億円(16.9%)増となる712億円。同年度は、飛行経路見直しに必要な航空保安施設や誘導路、CIQ(税関・出入国管理・検疫)施設などを整備する。また、駐機場や国際線と国内線地区を結ぶトンネル(際内トンネル)の整備や、空港アクセス道路の改良、空港と対岸の川崎市を結ぶ連絡道路の整備、A滑走路の耐震対策などを進めていく。
関連リンク
日本空港ビルデング
東京国際空港ターミナル
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