マレーシアを拠点とするLCC大手のエアアジアは9月1日、日本初の同社専門旅行代理店「エアアジア・セールスセンター」を新宿にオープンした。羽田空港などに就航する中距離国際線のエアアジアX(XAX/D7)をはじめ、エアアジアグループすべての航空券や、座席指定などオプションサービスを手配できる。
エアアジアは同センターをアジア各国に103店舗構えており、今回開業した新宿の店舗が日本の第1号店。日本は13カ国目で、104店舗目となった。旅行代理店のトラベルウエストが運営する。
場所は、新宿区西新宿7丁目にあるトラベルウエストの東京オフィスで、一部改修する形でエアアジアの店舗にした。近隣には日本語学校などもあることから、日本在住の外国人の来店も見込んでいる。
エアアジアグループの日本路線は、羽田-クアラルンプール線、成田-バンコク(ドンムアン)線、成田ーデンパサール(バリ島)線、関西-クアラルンプール線、関西ーホノルル線、関西-バンコク線、新千歳-クアラルンプール線の7路線。日本からハワイへ向かう初のLCCによる直行便で、6月28日に就航したホノルル線は、関西空港から以遠権を行使し、クアラルンプール線の一部便を延伸した路線となっている。
これらのうち、クアラルンプール路線はエアアジアX、バンコク路線はタイ・エアアジアX(TAX/XJ)、デンパサー線はインドネシア・エアアジアX(INX/XT)が運航。機材はいずれも、エアバスA330-300型機(377席:ビジネス12席、エコノミー365席)となっている。
エアアジアは自社ウェブサイトによる直販がメインだが、旅行代理店経由の販売にも力を入れている。エアアジアXのレイモンド・チェオン営業統括部長は、「ウェブが苦手な人、クレジットカードを持ってない人、対面販売を好む人のニーズに応えるために開設した」と、オープンの意図を説明した。
「お客様がワンストップで旅行を手配出来る施設。エアアジアグループが持つ120以上の就航地への航空券のほか、すでに購入された方が座席や手荷物などの変更もでき、トラベルウエストによるパッケージツアーや、ビザの手配もできる」(チェオン営業統括部長)と、利便性の高さをアピールした。
日本初の店舗を新宿にオープンした理由について、「エアアジアの便は東京発着がもっとも多く、2020年に開かれる東京オリンピック・パラリンピックに向けて増加が見込まれるインバウンドのニーズに応えるため、東京の中心である新宿を選んだ」と説明。「壁には新しいブランディングを、全店舗で初導入した。新宿がうまくいけば、第2、第3のサービスセンターを作りたい」と、拡大に意欲を示した。
日本発便における日本人比率は「路線や季節により異なるが、約60%が日本からのお客様」と、エアアジアの広報担当者は説明する。
エアアジアでは、今後もウェブ直販を中心とした販売戦略に変わりはないものの、日本からハワイやバリ島などのレジャー路線は、旅行代理店経由の売上シェアが高くなっているという。ビジネスクラスにあたる「プレミアムフラットシート」も好調で、日本路線は「ほぼ満席になることが多い」(同社広報)と話している。
同センターでは、9月3日までに来店した人を対象に、エアアジアの航空券を片道20%割引で販売するキャンペーンを実施している。
関連リンク
AirAsia
・エアアジアX、関空-ホノルル就航 初のLCCハワイ直行便(17年6月29日)
・インドネシア・エアアジアX、成田-バリ就航 6月からデイリー(17年5月25日)
・「ブランド浸透が必要」札幌就航のエアアジアX イスマイルCEO代行に聞く(15年7月28日)