エアライン, 空港, 解説・コラム — 2017年8月30日 20:50 JST

春秋航空日本、成田ー関西運休へ 中国新路線検討

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 春秋航空日本(SJO/IJ)は8月30日、成田ー関西線を10月29日に始まる冬ダイヤから運休すると発表した。再開時期は未定。同時に成田ー佐賀線も、現在の1日2往復を同1往復に減便する。

成田ー関西線を運休する春秋航空日本=16年9月 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

 成田ー関西線は、関西空港から首都圏へ向かう中国人ツアー客の需要が伸びず、運休が決定。同社によると、中国の親会社である春秋航空(CQH/9C)が新路線開設などに伴い、関空や中部空港の発着便を一部運休している余波で、当面は十分な搭乗率が見込めないという。

 春秋航空は2015年3月に、関空と拠点化について合意。今年3月からは、LCC用の第2ターミナル拡張エリアに国際線が乗り入れている。春秋航空日本の成田ー関西線は、関空に春秋航空便で到着した中国人ツアー客を、首都圏へ送客することを主目的に、2016年9月28日に開設した路線で、同社は状況を見ながら再開を目指すとしている。

 佐賀線については、全体の運航スケジュールを調整した際、発着枠の関係で利便性の良いダイヤが組めないことから、1日1往復に減便を決めた。復便については、スケジュール調整などが整い次第、「再考する」との回答にとどめた。

 関西線の運休や佐賀線減便に伴い、冬ダイヤの国内線は3路線。成田ー広島線が1日2往復、成田ー佐賀線と成田ー札幌(新千歳)線がそれぞれ1日1往復ずつとなる。国際線は4路線で、成田ー武漢線(週3往復)、重慶線(同4往復)、天津線(同3往復)、ハルビン線(同4往復)を運航する。

 機材は、ボーイング737-800型機(1クラス189席)を4機使用。すでに受領済みの5号機(登録番号JA05GR)は、準備が完了次第、投入する見通し。また、6号機を年内に受領する見込みで、当面は6機体制で運航していく。今後は中国本土への新路線開設を目指す。

 春秋航空日本は2014年8月に運航開始。当初は成田-佐賀と広島、高松の国内3路線を運航していたが、高松は2015年10月に撤退した。

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【訂正】
5段落「成田ー広島線が1日2往復」のところが記事初出時、「成田ー札幌線」となっておりました。お詫びして訂正いたします。(17年8月31日 19:34 JST)