カンタス航空(QFA/QF)は現地時間8月25日、長距離路線の開設を検討していると発表した。2022年までに、ロンドンとニューヨークに直行便を就航するもので、調査を進める。
豪州東海岸からの直行便で、エアバスA350-900の航続距離を延長した超長距離型「A350-900ULR(Ultra-Long Range)」や、ボーイングの次世代大型機777Xの投入を計画する。直行便の開設により、シドニー-ロンドン間は4時間、メルボルン-ニューヨーク間は3時間短縮できる見込み。
同社は2018年3月、西海岸のパースからロンドンへの直行便を開設。運航距離は1万4498キロメートル、所要時間は17時間で、787-9を投入する。
A350-900ULRは2015年10月にローンチ。燃料システムの改良や容量を拡大し最大離陸重量(MTOW)を増加させることで、航続距離を8700海里(1万6112.4キロ)に伸ばした。燃料タンクは14万1000リットルから16万5000リットルに、MTOWを280トンに増加させる。
ローンチカスタマーはシンガポール航空(SIA/SQ)で、2018年に受領し、ニューヨークなど北米直行便に投入する見込み。
777Xは777-8と777-9の2機種で構成。777-9は今年から生産を開始し、初号機の引き渡しは2020年を予定している。
3クラスの標準座席数は777-8Xが350-375席、777-9Xが400-425席。航続距離は777-8が8700海里(1万6110キロメートル)、777-9は7600海里(1万4075キロメートル)を計画しており、エンジンは米GE製GE9Xを2基搭載する。
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