双日(2768)と日本空港ビルデング(9706)は8月21日、パラオ共和国政府とパラオ国際空港の運営について契約を締結したと発表した。2018年から20年間を予定しており、両社とも海外での空港運営は初となる。
運営事業会社名は、パラオ・インターナショナル・エアポート株式会社(Palau International Airport Corporation)。双日と空ビルが50%ずつ出資して設立した中間持株会社ジャパン・エアポート・マネジメント・パートナーズ(Japan Airport Management Partners)の出資比率が51%で、パラオ政府が49%となる。社長には、双日の執行役員の山口幸一航空産業・情報本部長が就いた。
パラオ空港の滑走路は、2195メートル×46メートルのものが1本(RWY09/27)。2016年の利用者数は、同国籍の旅客を除き約28万人だった。日本からは、デルタ航空(DAL/DL)が成田発着便を週2往復運航している。
両社はパラオ政府からの現物出資や事業移管を経て、2018年3月から5月ごろに空港運営や改修・拡張工事を開始する予定。旅客需要増加に伴い、既存ターミナルを改修・拡張すると同時に、運営や維持管理などを行っていく。総事業費は約35億円を計画している。
空ビルによる海外での空港運営では、2016年12月16日にロシアのハバロフスク空港の運営会社と、新ターミナル建設や運営の共同事業に関する覚書を、双日や海外交通・都市開発事業支援機構(JOIN)とともに締結。しかし、現時点では最終合意に至っていないため、パラオが同社初の海外案件受託となった。
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高松民営化
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