ボーイングは、次世代大型機777Xの製造に伴い、米モンタナ州ヘレナの製造拠点を拡張する。9万平方フィート(約8361平方メートル)拡大し、チタン製部品を製造するための工作機械を新たに設置する。
ヘレナ工場は、2013年にも787-10の製造開始により拡張を発表しており、現在の面積は25万7000平方フィートを超える。チタンなどの硬質金属から、737や747、767、787用部品の製造を担っている。777X用には、翼を胴体に接合する部品などを製造する。
777Xは777-8と777-9の2機種で構成。777-9は今年から生産を開始し、初号機の引き渡しは2020年を予定している。
3クラスの標準座席数は777-8Xが350-375席、777-9Xが400-425席。航続距離は777-8が8700海里(1万6110キロメートル)、777-9は7600海里(1万4075キロメートル)を計画しており、エンジンは米GE製GE9Xを2基搭載する。
日本の製造分担割合は、現行の777と同じ主要構造部位の約21%。川重のほか、三菱重工業(7011)と富士重工業(7270)、新明和工業(7224)、日本飛行機の5社が参画する。
ボーイングの受注実績によると、777Xの確定受注は7月末時点で326機。日本の航空会社では、全日本空輸(ANA/NH)を傘下に持つANAホールディングス(9202)が、2014年7月31日に20機の777-9を777-300ERの後継機として確定発注している。
一方、日本航空(JAL/JL、9201)は777-300ERの後継機として、エアバスA350-1000型機(メーカー標準座席数3クラス366席)を選定している。
関連リンク
Boeing
ボーイング・ジャパン
777X
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ANAは777X発注
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JALはA350-1000
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