シンガポール航空(SIA/SQ)とカナダの航空機シミュレーター大手CAEは、シンガポールに共同でパイロット訓練センターを設立することで合意し、覚書を現地時間8月10日に交わした。出資比率は50%ずつで、ボーイング機のシミュレーターを運用する。シンガポール航空グループをはじめ、アジア太平洋地域にある他社のパイロット訓練を受託していく。
同センターは、チャンギ空港近くにあるシンガポール航空の訓練センター(STC)内に設置。同社のボーイング機用シミュレーター4基を移管し、順次CAEのシミュレーターを追加していく見込み。
ボーイング737 MAXと747、777、787のタイプレーティング(機種別操縦資格)取得訓練や、リカレント(再飛行)訓練を行う。業務開始は年内を予定している。
シンガポール航空グループでは、747は退役済みだがシミュレーターは現在も保有しており、777はシンガポール航空本体、787はグループのLCCであるスクート(TGW/TR)が運航している。737 MAXは、短中距離路線を担う子会社のシルクエアー(SLK/MI)が導入する。
シンガポール航空は、2016年4月にエアバスとパイロットの訓練施設「エアバス・アジア・トレーニング・センター」(AATC)を設立。エアバスが55%、シンガポール航空が45%出資しており、アジア太平洋地域でのエアバス機のパイロット訓練を受託している。
CAEとボーイング機を対象とした訓練施設を稼働させることで、パイロット需要が旺盛なアジア太平洋地域で、ボーイング機とエアバス機双方の訓練需要に応じていく。
シンガポール航空
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シンガポール航空グループ
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