2018年4月の民営化を目指す神戸空港の運営権売却について、運営する神戸市は7月25日、オリックス(8591)と仏空港運営会社ヴァンシ・エアポート、両社が出資し関西空港と伊丹空港を運営する関西エアポートの3社によるコンソーシアム(企業連合)を、優先交渉権者に同日付で選定した。
神戸空港の民営化は、市に所有権を残したまま運営権を売却する「コンセッション方式」で実施。オリックス連合は、6月30日に市へ提出した提案書類で、関空や伊丹を2016年4月から運営するノウハウを生かし、神戸を加えた3空港の一体運営を念頭に提案を進めてきた。
今後神戸市と基本協定を締結し、神戸空港を運営する特別目的会社(SPC)を関西エアポートの100%出資で設立する。10月に運営権がSPCに設定され、2018年4月に民営化する見通し。
民間による運営期間は2018年から2060年までの42年間とし、10年間の合意延長ができる。運営権者は滑走路やターミナルビル、駐車場などを一体的に運営する。現在は空港施設は市が、ターミナルビルと駐車場は市などが出資する神戸空港ターミナルが運営している。
神戸市では、神戸と関西、伊丹の関西3空港の一体運営を求めている。民営化により、現在は午前7時から午後10時までに限られている運用時間や、1日30往復と制約がある発着枠について、緩和される可能性がある。
神戸空港には現在、スカイマーク(SKY/BC)と全日本空輸(ANA/NH)、ソラシドエア(SNJ/6J)、エア・ドゥ(ADO/HD)の計4社の国内線が乗り入れている。
神戸空港
・神戸空港、運営権売却に関西エアポート、双日ら名乗り(16年12月1日)
関西空港
・関空、18年通期見通し非公表 山谷社長「国と民間考え方違う」(17年6月1日)
・関空、新路線アジア重視へ 山谷社長「欧米も力抜いてない」(17年5月31日)
・関空と伊丹民営化 関西エアポート始動「特徴違う空港2つある」(16年4月4日)
・オリックス・ヴァンシ連合、新関空会社と運営権契約 関空・伊丹民営化(15年12月15日)
仙台空港が民営化1周年
・仙台空港、民営化1周年 岩井社長「闇鍋が少し見えるようになる」(17年7月3日)
・スカイマーク、仙台復活 神戸へ1日2往復、撤退路線初の再開(17年7月1日)
・ピーチ、9月に仙台拠点化 札幌・台北に新路線(17年5月17日)
・ジェイエア、仙台にE190就航 全便導入へ(16年7月2日)
福岡・高松・熊本も空港民営化へ
・熊本空港、20年4月民営化へ 復興の象徴、市場調査開始(17年7月3日)
・福岡空港、民営化の募集要項策定 運営会社、18年5月選定(17年5月17日)
・高松空港、民営化の募集要項策定 15日に説明会(16年9月7日)