ボーイング, 機体, 需要, 需要予測 — 2017年6月27日 07:35 JST

ボーイング、36年までの新造機需要4万1030機 中大型機は減少傾向

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 ボーイングは、2017年から2036年までの20年間の民間航空機市場予測について、昨年の発表値と比べて3.6%増の4万1030機にのぼるとパリ航空ショーで発表した。

パリ航空ショーで新造機需要の20年予測を発表するボーイングのティンゼス氏=17年6月20日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

 カタログ価格で換算すると、総額6兆1000億ドル(約682兆6320億円)相当。同社の「最新市場予測2017-2036」に基づくもので、特にLCCを中心に引き合いの多い、737 MAXなどナローボディー(単通路)機市場が旺盛で、前年比5%(1390機)増の2万9530機の新造機需要を20年間で見込んでいる。

 777Xや787などのワイドボディー(双通路)機市場は、今後10年間の早い時期に旧型機の代替需要により、9130機の新造機が20年間で必要になると予測している。

 ワイドボディー機市場のうち、747-8をはじめとする超大型機については、777Xなどの双発機へのシフトが進み、貨物機が中心になると予測。旅客機は787や777Xなどのサイズが中心になるとみている。

 このため、ボーイングが「小型ワイドボディー機」と定義する787のような200-300席クラスの機体の需要は、20年間で5050機(前年比50機減)、777Xなど「中型/大型ワイドボディー機」は同3160機(同840機減)、747-8Fや777Fなどワイドボディー貨物機が920機と予測している。

 機体の引き渡し先については、これまでと同様に中国を含むアジア市場が1万6050機で、中心になると予測している。

 ボーイング民間航空機部門マーケティング担当バイス・プレジデントのランディ・ティンゼス氏は、「強い伸びを今年見せている旅客数は、今後20年にわたり毎年4.7%のペースで増加するだろう。航空機を利用する旅行客が増加するにつれ、特にナローボディー機市場の需要が高まっている」と説明した。

新造機の納入機数内訳(36年までの20年間)
サイズ別(機数・金額)
・リージョナル機(90席以下) 2370機 1100億ドル
・単通路機(90-230席) 2万9530機 3兆1800億ドル
・小型ワイドボディー機(200-300席) 5050機 1兆3400億ドル
・中型/大型ワイドボディー機(300席以上) 3160機 1兆1600億ドル
・ワイドボディー貨物機 920機 2600億ドル

地域別(機数)
・アジア 1万6050機
・北米 8640機
・欧州 7530機
・中東 3350機
・南米 3010機
・C.I.S. 1230機
・アフリカ 1220機

計4万1030機

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Boeing
ボーイング・ジャパン

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