エアライン, 官公庁 — 2017年5月26日 17:53 JST

JAL、伊万里市と協定締結 機内食で伊万里焼も

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 日本航空(JAL/JL、9201)は5月26日、佐賀県伊万里市と包括連携協力を締結した。地方と共同で観光振興や農水産物を取り上げる「新・JAPAN PROJECT(ジャパンプロジェクト)」で、6月に同市を特集するほか、福岡・北九州両空港のJALカウンターで、伊万里焼の風鈴(ふうりん)を展示し、市内に住む子供向けに航空教室を実施していく。

—記事の概要—
機内食で伊万里焼
農産品の6次産業化も

機内食で伊万里焼

 JALでは4月から6月にかけて、九州各地を紹介しており、焼き物の里である伊万里を6月に特集。機内誌「SKYWARD」で英語版を含めて取り上げるほか、国内線ファーストクラスでは、夕食で伊万里市「櫓庵治(ろあじ)」銀座店の北島正敏料理長が監修したメニューを提供する。

 監修メニューでは、「佐賀牛ローストビーフ」や「伊万里産パプリカ握り」、櫓庵治名物「シメサバサンドウィッチ」などを用意。上旬と中旬、下旬で異なり、計3メニューとなる。

JALが6月上旬に国内線ファーストクラスで提供する機内食イメージ(同社提供)

 6月限定で、夕食の主菜を伊万里焼の器で提供。伊万里を代表する絵柄である「輪繋文(りんかもん)」「組紐文(くみひももん)」を描いた2種類の器を、伊万里・大川内山の窯元「畑萬陶苑(はたまんとうえん)」が制作した。

 同メニューで提供する俵ご飯(お米)と茶菓、日本酒も佐賀県産。お米は佐賀県西部に位置する伊万里市黒川町深山地区のもの、茶菓は焼き物の技法「ひび焼き」をまんじゅう皮に表現した「伊万里焼饅頭」(佐賀・エトワールホリエ)、日本酒は39%精米の山田錦を使用した県内の古伊万里酒造による「古伊万里・前(こいまり・さき)純米大吟醸」を提供する。

 マイレージサービスでは、福岡・長崎発着のJALグループ便に対象運賃で6月1日から8月31日までに搭乗した際、抽選で1000マイルが100人に当たるキャンペーンを実施。マイルの特典交換では、6月中の申し込みで「佐賀牛ローストビーフ」「佐賀 金堀シェフのあまおういちごタルト」「伊万里焼 濃いちご睦」を用意する。

農産品の6次産業化も

6月限定で国内線ファーストクラスの夕食で使用する伊万里焼の器(JAL提供)

 JALと伊万里市は、2016年4月から市の観光アドバイザーと観光協会専務理事を兼務する形で、JALが社員を派遣。市の主催で昨年下期に半年間、8回行われた「観光おもてなし研修」にもJALが携わり、宿泊業や飲食業、小売業の関係者を対象に、訪日需要への対応プログラムをアイデアを出し合いながら進めてきた。

 今回の協定締結で、双方の交流や情報発信を強化し、その一環として6月の新・JAPAN PROJECTで伊万里を取り上げる。

 6月から8月にかけて開かれる風鈴祭りと同時期に、福岡と北九州両空港のカウンターで伊万里焼風鈴を展示するほか、秋にリニューアル予定の福岡空港VIPラウンジに伊万里焼の献上品を展示する。また、羽田空港の格納庫見学など、伊万里市の子供たちが学校では受けられない、航空に関する授業を実施する。

 JALの溝之上正充九州・山口地区支配人は、「伊万里焼に代表されるように、“イマリ”の名はすでに世界ブランドで、日本人でも知らない人はいないと思う。地域活性化を自治体と一緒にやることで、社会に恩返しをしていきたい」と語った。

 「市レベルでの包括連携協定は、4月の宗像市に次いで2例目。交流人口の拡大は、自治体と航空会社に共通のメリットがあるので、息の長いものにしていきたい。地元農産品の6次産業化もできるのではないか」(溝之上支配人)と期待を寄せた。

関連リンク
日本航空
伊万里市

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