エア・カナダ(ACA/AC)が、バンクーバー-中部(セントレア)線を6月に開設する。10月下旬までの夏ダイヤ期間の定期直行便で、バンクーバー発AC1955便が現地時間1日、中部発AC1956便が日本時間2日に就航し、最大週4往復運航する。
ルージュ日本2路線目
観光路線を主体とする系列のエア・カナダ ルージュ(ROU/RV)が運航。機材はボーイング767-300ER型機で、座席数は280席(プレミアム24席、エコノミー256席)となる。
運航スケジュールは、AC1955便が月曜と火曜、木曜、土曜の運航で、バンクーバーを午後0時45分に出発して翌日午後3時15分に中部へ到着。AC1956便は火曜と水曜、金曜、日曜に運航し、中部を午後4時45分に出発して午前10時にバンクーバーへ到着する。
ルージュは2013年7月1日に運航を開始したフルサービス航空会社で、日本路線は2015年5月に就航したバンクーバー-関西線に続いて2路線目。羽田や成田に就航しているエア・カナダよりも1席あたりの運航コストが30%低いことから、エア・カナダ本体では就航が難しい都市へはルージュが乗り入れている。
エア・カナダのカリン・ロヴィネスク社長兼CEO(最高経営責任者)は、「名古屋から就航している北米の都市はデトロイトしかない。バンクーバーから西海岸への接続需要が取れるのではないか」と意気込む。
マリオットを研究
カナダから米国へ入国する際、入国審査をカナダで済ますことができ、同日乗継の場合は荷物の受け取りやカナダへの入国が不要だ。
エア・カナダのベンジャミン・スミス旅客部門担当社長は「米国の国内線と同じように乗り継げる」と、利便性を強調。ルージュについては、「マリオットなどの(ブランド展開について)研究を重ねた結果、似たようなことができるのではと考えた」と述べ、さまざまなブランドを展開するホテルなどを参考に、本体との住み分けを進めたという。
エア・カナダは、7月1日にカナダが建国150周年を迎えるのに合わせ、新しい機体デザインや新制服を2月に発表。これまでの薄緑色をベースとするものから大きく変わり、白地に黒を基調としたデザインに変わる。スミス氏は「できるだけ早く塗り替えたい」という。
また、ラウンジへの投資を進めており、「モントリオールやバンクーバー(9月新装開業)では、国際線ラウンジは3倍の広さになる。トロントでは2つ目のラウンジ新設に向けて工事を進めており、レストランのシェフを選んでいる」(スミス氏)と、サービス向上に向けた取り組みを紹介した。
ロヴィネスク社長は、「カナダの航空会社というより、北米の航空会社と認識していただきたい」と、北米での乗り継ぎ利便性の高さを強調する。
カナダから名古屋へはカナディアン航空(エア・カナダが吸収合併)が、県営名古屋空港(小牧)へ11年前まで乗り入れていた。バンクーバー線は、カナダへの渡航需要の取り込みだけではなく、乗り継ぎの良さをどこまで訴求できるかがカギとなりそうだ。
運航スケジュール
AC1955 バンクーバー(12:45)→中部(翌日15:15)運航日:月火木土
AC1956 中部(16:40)→バンクーバー(09:55)運航日:火水金日
*AC1955の6/1-7/30発と9/26-10/27発は火木土のみ、AC1956の6/1-7/31発と9/27-10/27発は水金日のみ運航。
*AC1955の月曜発は6/19-9/25、AC1956の火曜発は6/20-9/26運航。
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エア・カナダ
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