日本航空(JAL/JL、9201)は、羽田空港国際線ターミナル5階にあるサクララウンジ「スカイビュー」に、VR(仮想現実)体験コーナーを4月12日から14日までの3日間限定で設ける。
VRのシステムは、サムスン電子のスマートフォンを使ったウェアラブル端末「Galaxy Gear VR」を採用。KDDI(9433)が支援するベンチャー企業VRize(ブイアライズ、東京都港区)が開発したスマートフォン用VRアプリを使い、コロプラ(3668)の100%子会社で360度動画を手掛ける360Channel(サンロクマルチャンネル)が制作した3分から5分程度のVRコンテンツを流す。
視聴できるコンテンツはねぶた祭のほか、京都の紅葉と福井県立恐竜博物館、ランタン祭りの4種類。利用者はVR用のイス「テレポッド」に座り、Gear VRを装着して視聴する。
JALの事業創造戦略部事業戦略グループの清水厳喜(げんき)さんは、「継続的にVRを入れるわけではないが、スモールスタートで検討していきたい」と話し、今回の体験コーナー設置で得た情報を、次世代サービスを開発する際に参考にしていくという。ターゲットとする年齢層や性別も問わず、コーナーを訪れた人の反応を見る。
VRizeの中村拓哉COO(事業推進責任者)によると、市場に普及しているVR端末が少ないことから、同社は個人向けビジネスから企業のマーケティング支援に軸足をシフトしたという。今回のコーナー向けにアプリ「JAL VR」を開発。ラウンジなどでのサービスにVRを取り入れられるかを、今後JALと話し合っていきたいという。
KDDIが航空会社とVR関連のイベントを手掛けるのは、今回が初めて。今回は端末や説明員を用意し、VRizeの取り組みを支援する。
航空会社や機体メーカーによるVRを使った取り組みでは、イベントでVR端末とシートを用意し、機内サービスを仮想体験する事例などがある。
JALではVRのほか、マイクロソフトのAR(拡張現実)ヘッドセット「ホロレンズ」を活用し、パイロットと整備士向け訓練システムの検証を進めている。
VR体験コーナーの開設時間は、各日午前7時から午後0時30分まで。
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