三菱航空機は4月3日、開発中のリージョナルジェット機「MRJ」の飛行試験3号機(登録番号JA23MJ)が、飛行試験の拠点となる米国モーゼスレイクへ現地時間3月31日(日本時間4月1日)に到着したと発表した。
三菱航空機では、5機ある飛行試験機のうち、4機を米国へ持ち込む。すでに初号機(JA21MJ)と2号機(JA22MJ)、4号機(JA24MJ)は到着済みで、3号機の到着により全機がそろった。
3号機は、日本時間3月13日午前9時23分に県営名古屋空港(小牧)を出発。グアム国際空港、マーシャル諸島マジュロ国際空港を経て、現地時間13日午後11時13分(日本時間14日午後6時13分)にホノルル国際空港へ到着した。
ところが、ホノルルから次の経由地であるサンノゼ国際空港へ向かって離陸した際に、コックピットに油圧低下の表示が出たため、引き返した。着陸後に機体を確認したところ、油圧の細い配管が破断しており、油が漏れていた。
改修後に試験飛行を1回実施し、現地時間3月31日午前5時23分(同4月1日午前0時23分)にホノルルを離陸し、サンノゼを経由してモーゼスレイクのグラントカウンティ国際空港に現地時間3月31日午後7時24分(同4月1日午前11時24分)に到着した。名古屋からの総フライト距離は1万4000キロ、総飛行時間は19時間48分だった。
3号機は今後、モーゼスレイクを拠点に飛行試験を進めていく。
三菱航空機の親会社である三菱重工業(7011)は1月23日、MRJの量産初号機の納入時期について、5度目の延期となる2020年半ばにすると発表。納入の半年前にあたる、2020年初頭までに型式証明(TC)の取得を目指す。
残る全日本空輸(ANA/NH)塗装の5号機(JA25MJ)は、県営名古屋空港に隣接する最終組立工場内にあり、設計変更による機器配置の見直しなどに使用される見通し。
新体制でMRJ推進
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16年11月に初飛行
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役員人事
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