日本航空(JAL/JL、9201)の植木義晴社長は4月1日、発着枠の関係で羽田発着便を運休し、成田へ変更したホノルル線について、夏までに全便を最新機材とすることで、競合他社に挑む姿勢を示した。
—記事の概要—
・羽田-ホノルル運休
・ハワイに始まりハワイに終わる
羽田-ホノルル運休
JALは3月31日まで、羽田-ホノルル線を1日1往復運航してきた。しかし、ニューヨーク線を開設するために必要な発着枠を捻出するため1日から運休し、成田発着に切り替えた。
羽田の米国路線用発着枠は、国土交通省が2016年4月に5枠ある昼間帯発着枠のうち、3枠を全日本空輸(ANA/NH)に、2枠をJALに配分。新設した深夜早朝枠もANAに配分し、合計6枠ある米国路線の発着枠はANAが4枠、JALが2枠と傾斜配分された。
4枠獲得したANAは、ニューヨーク線とシカゴ線を冬ダイヤが始まる2016年10月30日に新設。深夜便だったホノルル線は昼間に移し、以前から運航しているロサンゼルス線は、深夜便として継続している。
一方、2枠にとどまったJALは1日現在、サンフランシスコ線とニューヨーク線のみとなっている。JALが運航する首都圏のホノルル線は、1日からすべて成田発着となった。
羽田発着便の成田移行により、JALの成田-ホノルル線は1日4往復。高需要期の4月26日から9月14日までは1日往復増便し、最大5往復運航する。また、関西空港と中部(セントレア)からもホノルル線を1日1往復ずつ運航しており、JALのホノルル路線は計1日6往復となっている。
羽田から移行した成田発着のJL780/789便の機材は、ボーイング777-200ER型機の新仕様機「スカイスイート777」を主に投入。座席数は236席で、ビジネス42席、プレミアムエコノミー40席、エコノミー154席の3クラス構成となる。
ビジネスクラスは、フルフラットシートを斜めに配置した「ヘリンボーン配列」を採用。エコノミーは、夫婦や恋人同士、家族連れなど、さまざまな乗客のニーズに合わせ、横9席の3-4-2配列とした。
777-200ERのスカイスイート777は、関空と中部発着便にも投入。関空便は1月9日から、中部便には2月25日からスカイスイート777で運航している。
ハワイに始まりハワイに終わる
スカイスイート777以外にも、767-300ERの新仕様機「スカイスイート767」や、787-8の新仕様機「スカイスイート787」を中心に投入。フルフラットシートのビジネスクラスや、座席間隔に余裕があるエコノミークラスで、快適性を訴求していく。
また、8月4日から15日までは、期間限定でニューヨーク線と同じファーストクラスがある777-300ER「スカイスイート777」を、ホノルル線にも投入。年末年始に777-300ERを運航し、富裕層などに好評だったことから、夏の最繁忙期に再投入する。
一方、競合もホノルル路線は機材更新を進めている。全日本空輸(ANA/NH)は、1日1往復の羽田発着便に787-9、同2往復の成田発着便は787-8と767-300ERを投入。767-300ERは6月1日から787-9に大型化する。
そして、2019年からは総2階建ての超大型機エアバスA380型機を成田へ就航させる。発注した3機すべてを同路線に投入し、便数は据え置きながらも、提供座席数を倍増させる計画だ。
地元のハワイアン航空(HAL/HA)は、ホノルル-羽田線、成田線、関西線、札幌線と、コナ-羽田線を運航。機材はボーイング767-300ER型機で運航する札幌線を除き、すべてエアバスA330-200型機を使用している。
成田線と関西線には、ビジネスクラスにフルフラットシートを採用したA330-200の新仕様機(278席:ビジネス18席、プレミアムエコノミー68席、エコノミー192席)を投入済みで、夏までにA330で運航する日本路線は、すべて新仕様機に置き換える。
そして6月28日からは、マレーシアのLCC、エアアジアX(XAX/D7)が関空からの以遠権を行使し、ホノルル線を開設する。日本からハワイへ向かうLCCは初めてだ。
競争が激化するハワイ路線について、JALの植木社長は「ハワイ路線は我々の一番思いのある路線であるし、日本人のお客様にとっても、“海外旅行はハワイに始まりハワイに終わる”という言葉もあるほど。1日6便(往復)のうち、5便はスカイスイートが飛んでおり、効果は確実に現れている」と、新仕様機投入の効果を説明した。
JALが11機保有する777-200ERは、半数以上がスカイスイート777へ改修済み。2017年度内に全機がそろう見通しだ。
植木社長は、「夏には(ハワイ路線の)全便がスカイスイートになる。強力なラインナップで注力していきたい」と語った。
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スカイスイート 777(日本航空)
日本航空
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