国土交通省航空局(JCAB)は、訪日客の地方誘客に取り組む地方空港を「訪日誘客支援空港」に認定し、地方空港への国際線ネットワーク充実を図る。3月15日から支援空港の募集を開始し、地方自治体の誘客や就航促進の取り組みを支援する。
対象となるのは羽田と成田、関西、中部、福岡、新千歳の6空港を除く、国管理空港と地方管理空港、コンセッション空港で、15空港程度をめどに認定する。認定空港には新規路線の着陸料軽減や、空港ビルの整備費用などを補助する。
新規就航や増便への支援策として、着陸料を3年間割り引く。割引率は空港により異なり、国管理空港は2分の1以上を割り引き、地方管理空港とコンセッション空港は3分の1を補助する。チケットカウンター設置・使用料や、グランドハンドリング、デアイシング(除雪・除氷)費用も支援。3分の1を補助をする。
空港ビル会社による待合スペースやボーディングブリッジ、交通アクセスなど、訪日客拡大に伴う施設整備費用も支援。3分の1を補助する。CIQ施設(税関・出入国管理・検疫)の整備は、2分の1を補助する。
JCABのほか、関係省庁も協力する。観光庁は、Wi-Fi環境の整備や多言語化への費用3分の1を補助。観光庁が所管する独立行政法人・日本政府観光局(JNTO)は、海外でのピーアール活動を支援する。
地域による地方空港の国際線就航促進や、訪日客の誘客計画を審査する。応募は4月21日午後6時15分まで。5月中旬と、5月から6月にかけて懇談会を2回開催し、JCABと観光庁が訪日誘客支援空港を認定する。認定後、7月から補助申請を受け付け、交付を開始する。
2016年は、羽田と成田、関西、福岡、那覇、中部、新千歳の7空港を除いた地方空港から、訪日客の5%にあたる109万人が出入国した。46万人だった2012年と比較すると、およそ2.4倍に増加したが、2015年は108万人(対前年比0.7%増)で、伸び率が鈍化している。
2016年冬ダイヤ実績では、旭川や青森、仙台、高松、那覇など23空港に国際線が就航している。各空港ともソウルや台北、上海など、北東アジアを中心とした近距離路線が多い。
・16年訪日客、2403万人で歴代最高 日本人客2年連続上回る(17年1月17日)
・15年訪日客、1973万人で歴代最高 日本人客上回る(16年1月19日)
・訪日客1300万人突破 国交相「2000万人目指す」(14年12月23日)