成田国際空港会社(NAA)は11月8日、成田空港で航空機事故が発生したことを想定し、NAAや航空会社、消防、警察、自衛隊、国交省航空局、成田市など62機関の約1200人、約300台の緊急車両が参加する訓練を実施した。今回で31回目。
訓練は午後2時半ごろ、架空の航空会社XYZ航空1108便(ボーイング767型機)がA滑走路(34L)で着陸滑走中、進行方向左側の第1エンジンから煙が発生し、直後に同エンジンが爆発炎上して滑走路から逸脱後、誘導路付近の芝地で火災が拡大しているとの想定で行われた。
事故機の乗客数は220人と想定。実際に参加者50人が乗客役として搭乗し、警察や消防が機内から救助して負傷者選別所へ搬送した。選別所では医師が治療や搬送の優先順位を決定するトリアージを行い、判定を受けた救助者は重症度に応じて救護所や軽症者処置所へ運ばれた。また、遺体の仮安置所では、歯科医師が歯形による身元確認を行った。
今回の訓練では、負傷者の内訳を参加者に伝えず、現場の医師がその場で重傷や軽傷などの判定を下すシナリオを初めて導入。より実情に近い訓練を行った。NAAでは、今回の訓練の反省点を参加機関から集約し、今後の訓練内容に反映したいという。訓練用の機体は日本航空(JAL、9201)が提供した。
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