全日本空輸(ANA/NH)は2月21日、新千歳空港の国内線ラウンジを刷新すると発表した。9月中旬のオープンをめどに改修を進め、デザインは建築家の隈研吾(くま・けんご)氏が監修する。また、同社マイレージサービスの最上級会員向け「ANAスイートラウンジ」も新設する。
デザインコンセプトは「一期、一会」
隈氏は「一期、一会」を新ラウンジのデザインコンセプトとし、監修する。2018年度以降、福岡と伊丹、那覇でも国内線ラウンジをリニューアルし、コンセプトを継承する。第1弾となる新千歳空港は、「大空の玄関」と「翼につつまれる空間」をテーマに新デザインを展開する。
リニューアルする新千歳のラウンジは、面積を約2倍に拡大。3階エリアに移転する。滑走路に面した東側には全面ガラス張りの大きな窓を設け、北海道の山々を望むことができる。高さの低いカウンターを設置し、車いす利用者などにも使いやすいユニバーサルデザインを取り入れる。
ANAスイートラウンジも3階エリアに新設し、国内線ラウンジと同時期のオープンを目指す。ANAの篠辺修社長によると、上級会員の利用客から、新千歳でのスイートラウンジ設置の要望が多かったという。篠辺社長は「北海道ゆかりのメニューを提供したい」と述べた。
また、ラウンジ直結の優先チェックインカウンターと保安検査場を2階エリアに新設。プレミアムクラスの利用客とマイレージサービスの最上位「ダイヤモンド」会員と2番目の「プラチナ」、プラチナとダイヤモンド会員が入会できる「ANA スーパーフライヤーズカード」会員、スターアライアンスの「ゴールドメンバー」が利用できる。
今後は国内線や国際線のラウンジや、今後受領する機材の機内プロダクトの監修も予定している。ANAは、2019年にホノルル線用にエアバスA380型機、2019年度から国内線用にボーイング787-10型機、2021年度に長距離国際線用として777-9の受領を予定している。
「自然が見せる瞬間の美しさ活かす」
隈氏は「ラウンジは最高のくつろぎを与え、最高のおもてなしの空間でなければならない」とし、「『積み重ねた時間ときらめきの瞬間の融合』が、一期一会の本質。自然が見せてくれる瞬間の美しさをラウンジに活かしたい」と述べた。
受付の天井には翼をイメージした形状を取り入れ、光の演出にこだわった。カウンターにはしっかりした質感の白木を使用する。玄関は大空をイメージし、手すきでしっかりしたテクスチャの和紙を使用することで、雲間を抜けるようなアプローチに仕上げる。
隈氏は「北海道らしい、透明感のある“瞬間”を体験してもらいたい」と語った。
羽田「見極めてから」
篠辺社長は隈氏との協業について、「1年半くらい前に食事をしたときに『いっしょにやりませんか?』ということになった」とし、リニューアルのスケジュールなどを考慮し、国内ラウンジから着手することになったと述べた。
自身を「飛行機のヘビーユーザー」と語る隈氏は、今後の機内プロダクト監修についても、自身のアイデアを具現化していきたい様子で述べた。
2018年度以降は福岡と伊丹、那覇でも国内線ラウンジをリニューアルする。そのほかの空港でのリニューアルについて篠辺社長は「空港そのもののリニューアル計画に当てはめて実行する。二度手間は避けたい」と語った。
羽田空港への導入は「(ANAが使用する)国内線第2ターミナルと国際線ターミナルとの関係で、さまざまな話しがある。それを見極めてから」とし、「今の段階では『可能性がある』としか言えない」と明言を避けた。
羽田空港の国際線ターミナル運営を手掛ける東京国際空港ターミナル(TIAT)は、2020年開催の東京オリンピック・パラリンピックに向け、夏ダイヤが始まる同年3月末までに、第2ターミナルの一部を国際線に転用する姿勢を示している。
関連リンク
全日本空輸
隈研吾建築都市設計事務所
写真特集・ANAスイートラウンジ新千歳空港
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写真特集・ANAラウンジ新千歳空港
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ANAのラウンジ
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他社のラウンジ
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ANAが導入する新機材
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羽田第2ターミナル国際線転用関連
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