エアバスは現地時間10月23日、次世代中型機A350 XWBの最終組立工場をフランス・トゥールーズに開設したと発表した。記念式典にはフランスのジャンマルク・エロー首相やエアバスのファブリス・ブレジエ社長ら、欧州政府代表をはじめ航空会社やサプライヤーの関係者、エアバス社の従業員など1000人以上が出席した。
最終組立工場の広さは7万4000平方メートルで、2018年までに最大で月産10機体制となる。同工場で作業する従業員は約1500人となる見込みで、工場名にはエアバス設立者のひとりであるロジェ・ベテイユ氏の名前を冠する。
工場内では地上テスト用の機体と、試験飛行に使用される初号機(MSN1)の組立が進められている。地上テスト用の機体は胴体と主翼、尾翼などがすでに組み立てられ、ほぼ完成状態にある。同機は地上テスト用の格納庫に移され、13年春からテストを開始する予定。試験飛行用の初号機は胴体部の接続が終了しており、11月初旬に主翼と尾翼が組み立てられる。
同工場の広さはテニスコート300面分にもおよび、天井には2万2000平方メートルのソーラー・パネルが取り付けられている。これにより、同工場が必要とするエネルギーの半分以上を作り出す。
A350 XWBはエアバスの最新中型ワイドボディー機ファミリー。最新の空力性能と設計、最先端技術を採用し、同サイズの既存機よりも燃料効率と運用コストを最大で25%削減する。重量を軽減させた機体の70%以上に複合材(53%)、チタン、アルミ合金を組み合わせた最先端素材を使用している。胴体は炭素繊維強化プラスチック(CFRP)製で燃料消費を削減し、メンテナンス面でも簡素化を進めている。
A350 XWBファミリーは3機種で構成。長距離路線を飛行でき、航続距離は最大1万5580キロ(8500海里)。座席数は標準の3クラス仕様でA350-800が270席、A350-900が314席、A350-1000は350席となる。