バニラエア(VNL/JW)のエアバスA320型機の10号機(登録番号JA10VA)が12月2日夜、成田空港へ到着した。今年4月に引き渡された9号機(JA09VA)以来、8カ月ぶりの受領機到着となった。
仏トゥールーズ製の10号機は、従来と同じ1クラス180席仕様で、11月30日に現地を出発。成田には日本時間2日午後8時13分に到着した。月内には11号機(JA11VA)が引き渡される見通しで、今年度末の2017年3月末までに12号機(JA12VA)を受領する。
2017年度は2機増機し、14機体制を構築。2020年度末までに25機体制とし、国内外へ路線を拡大していく。これまでの機材も含む25機すべてが、リース導入による新造機となる。
バニラの前身は、マレーシアのエアアジアとANAホールディングス(ANAHD、9202)が出資して2012年8月1日に就航後、2013年10月26日に運航を終えた旧エアアジア・ジャパン。同年12月20日に、ANAHDが100%出資するLCCとして再就航した。
2016年3月期通期決算は黒字転換を果たしたが、当初は経営再建に注力したことから、機材を増機するペースをダウン。2015年2月7日に引き渡された8号機(JA08VA)から9号機までは、1年2カ月を要した。
10号機就航までは、9機のA320で国内線と国際線合わせて9路線を運航。国内線は成田から札幌と奄美大島、那覇の3路線を運航している。国際線は成田から台湾の台北(桃園)と高雄、香港への直行便のほか、台北経由のホーチミン線を今年9月14日に開設しており、関西と那覇からも台北に乗り入れ、6路線を運航している。
バニラは今後、今月25日に成田ーセブ線を1日1往復で開設し、10機体制を活用。2017年2月19日には、国内LCCでは初めて函館へ就航し、成田-函館線と3月18日に就航する関西-函館線をそれぞれ1日1往復運航する。また、2月18日からは成田-関西線を1日2往復で開設する。
新路線就航により、バニラの就航地は国内外合わせて11都市となる。国内が東京(成田)、札幌(新千歳)、函館、大阪(関空)、奄美大島、沖縄(那覇)の6都市、海外が台北(桃園)、高雄、香港、ホーチミン、セブの5都市になる。
4社ある国内LCCは、3社が1クラス180席仕様のA320を運航。春秋航空日本(SJO/IJ)のみボーイング737-800型機(1クラス189席)を使用している。
2012年3月1日に就航した国内初のLCCで、バニラと同じくANAHDが38.67%出資するピーチ・アビエーション(APJ/MM)は、A320が18機。2012年7月3日に就航したジェットスター・ジャパン(JJP/GK)は、受領した24機のA320のうち、4機を他社へリース(サブリース)している。2014年8月1日に就航した春秋航空日本は、737-800を3機運航している。
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