羽田空港の国際線ターミナル運営を手掛ける東京国際空港ターミナル(TIAT)の土井勝二社長は、2020年開催の東京オリンピック・パラリンピックに向け、夏ダイヤが始まる同年3月末までに、国内線第2ターミナルの一部を国際線に転用する姿勢を示した。
第2ターミナルは現在、全日本空輸(ANA/NH)の国内線をはじめ、同社とコードシェアするエア・ドゥ(ADO/HD)、ソラシドエア(旧スカイネットアジア航空、SNJ/6J)、スターフライヤー(SFJ/7G、9206)が乗り入れている。現在の計画では、南側の一部を国際線に転用する。
国内線ターミナルを運営する日本空港ビルデング(9706)の鷹城勲会長は11月22日、「ひとつのターミナルが理想だが、現在の施設をどう活用するかだ」と述べ、増加する国際線への対応策として、第2ターミナルの一部を転用する考えを示した。
TIATの土井社長は「鷹城会長にお願いして、国内線の一部を国際線に転用していただき、TIATとして一体運営していく」と述べた。転用時期については、「2020年の夏ダイヤまでには絶対やらなければならない」と語った。
土井社長は、「ターミナルが分かれるとマイナス面があるが、国内線とスピーディーに乗り継げる。地方に行く外国人にとっても、地方に住んでいる人が外国へ出ていく時にも便利。この状況下で(効果が)最大の選択だと思う」とメリットを挙げた。
一方、国際線が現在の国際線ターミナルと第2ターミナルに分散する点について、土井社長は「案内表示と移動をわかりやすくしたい」と語った。
また、2020年に向けて鷹城会長は、「第1ターミナルは古くなっており、出発と到着(の動線が)が分離されていない」として、改修を検討していく考えを述べた。第2ターミナルの国際線転用部分については、免税店の整備も進めたいと語った。
ANAの篠辺修社長は10月30日、第2ターミナルへの国際線就航について、「国内線との関係や現ターミナルの容量を考えると、有力な選択肢と考えている」と語った。
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