ANAホールディングス(9202)傘下で、全日本空輸(ANA/NH)の国内線と国際線の予約案内やマイレージクラブのサービスセンターを運営するANAテレマートは11月10日、電話応対力を競う毎年恒例の「応対コンクール」を開催した。今回で14回目となるコンクールには、4支店から選抜した9人が出場。札幌AMCグループの金(こん)佳代子さん(電話応対14年目)が優勝した。札幌は昨年に続いての優勝で、2連覇となった。
コンテストは、電話による問い合わせの応対力を審査。これまでは同僚らと練ったスクリプト(筋書き)に基づいて競っていたが、今回は利用客役の社員がテーマに沿ってアドリブで出場者に相談内容を投げかけた。
同社の応対部門は、国内線担当と国際線担当、マイル会員「ANAマイレージクラブ(AMC)」担当に分かれており、テーマを各担当ごとに設定。国内線はインターネットから変更できる運賃で購入した利用者が、孫と並んだ席が取れずに電話で相談し、国際線は海外出張に不慣れな男性が、空港での乗り継ぎやビジネスクラスの座席について質問、AMCは夫婦2人のマイルの事後登録の相談となった。
利用客役の社員は、出張に不慣れと話す割には、やけに空港の構造には詳しいなど、出場者や応援に詰めかけた社員が思わず笑ってしまう会話を挟み、真剣なコンテストを進めながらも、出場者をリラックスさせていた。
コンテストの評価項目は、電話を受けた際の最初のあいさつや、要望の聞き取り能力、的確に説明できていたか、提案力など、6つのポイントを設定。審査員として、同社の梶田恵美子社長やANAの篠辺修社長らが参加した。
優勝した金さんは、往路はANAの羽田発能登行き、復路は北陸新幹線を利用したAMC会員がマイルを事後登録しようとした際、座った座席がわからないという相談の電話を受けた。相手の顔が見えない電話であっても笑顔を絶やさず、真摯に相談に応じていた。
金さんは「普段お客様と話す状況で優勝できて本望です。いま英語に挑戦しており、英語でも日本語と同じように笑顔で応対できるようにしていきたいです」と優勝した気持ちを話した。
第2位には札幌国内の宍戸なほみさん(20年目)、第3位には東京AMCの松田彩さん(2年目)が選ばれた。
ANAの篠辺社長は「(入賞した)彼女たちのレベルに揃えられれば(我々の)勝ち。彼女たちを目指してもらうのがコンテストの狙いで、札幌が2連覇となれば優勝し続けたいと思うだろうし、ほかは来年こそは、となる」と狙いを語る。
「(ANAは)どこの部門でもお客様に相対している。そういう気持ちで仕事をすればミスも減るし、品質向上が生産性向上にもつながる」と、常に利用者を思い浮かべて仕事を進めることで、サービスの質を高めていく考えを語った。
ANAテレマートは東京と札幌、福岡、長崎に拠点を構え、4拠点で約1200人が勤務。応対力のコンテストは2003年から開始し、2013年は福岡、2014年は札幌、2015年は長崎で開催した。
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ANAテレマート
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