787の胴体延長型787-10Xと777の後継機777Xについて、2019年までの市場投入を検討しているボーイングの民間航空機部門マーケティング担当バイス・プレジデント(副社長)のランディ・ティンゼス氏は、両機種の機体サイズや開発中の単通路機737 MAXの現状について、国際航空宇宙展の開催期間中にAviation Wireの単独インタビューに応じた。
787-10Xの大きさは、長胴型の787-9(250から290席)よりも40席程度多い320席クラスのサイズになるだろうとした。これにより、777Xは現行の777-200や777-300などの777ファミリーに比べると若干大きくなる見込みだ。
一方で、747-8(3クラス時416席)と787との間を埋めるラインナップであり、「747-8の市場とは競合しないサイズ」(ティンゼス氏)と位置づけた。また、777Xの機体サイズはまだ調整可能な状態だとして、航空会社と協議を進めていく。
737 MAXに対する日本の航空会社の感触は、「お客様に聞いてみてください(笑)」とかわし、「良い機体だとの印象は持たれているだろう」と述べた。737 MAXは9月末時点で739機の確定発注を得ているが、「発注コミットメント分も確定していきたい。(競合する)A320を運航している顧客も取り込みたい」と市場拡大に意欲を示した。
日本の大手航空会社2社のロードファクター(L/F、座席利用率)が50%から60%台と、80%台が多い海外の航空会社と比較して低い値にとどまっている点について見解を求めた。ティンゼス氏は詳細な分析が必要であると前置きした上で、「米国の航空会社はL/Fが非常に高くないとペイしないが、日本はそこまで高くなくてもペイするという違いがある」と例示した。
また、常時満席に近い状態で運航した場合、現在のように柔軟な対応ができなくなることを、日本の利用者が受け入れられるかも影響しているのでは、と指摘。「どの航空会社も自分のマーケットのことは一番良く知っているだろう」と語った。
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