ピーチ・アビエーション(APJ/MM)は11月9日、特別塗装機をはじめとするフォルクスワーゲン グループ ジャパン(VWJ)とのコラボレーションを実施すると発表した。フォルクスワーゲン(VW)の代表車種「ビートル」を描いた特別塗装機を運航するほか、ピンク色のビートル「#PinkBeetle(ハッシュタグピンクビートル)」の専用限定車を機内で販売する。ピーチによると、機内販売専用車は日本では初めてだという。
限定5台の機内販売
特別塗装機(エアバスA320型機、登録番号JA817P)は、機体にVWのロゴやビートルをデカールで描いたもので、9日未明に関西空港にあるピーチの格納庫で完成。10日以降の就航を予定しており、ピーチの国内線・国際線全路線を対象に、投入路線を固定せずに2017年4月までの6カ月間の運航を予定している。
ピンクビートルは、9月に発表された新型車「ザ・ビートル・デザイン」をベースとした特別限定車。ボディーカラーには、ビートル初のピンク色「フレッシュフクシアメタリック」を採用し、インテリアにもステアリングホイールやドアなど、随所に同色をあしらった。300台限定で、希望小売価格は307万円(税込)となる。
エンジンは直列4気筒SOHCインタークーラー付きターボで、総排気量は1197cc。ミッションは7速DSGを採用し、燃費はJC08モードで1リッターあたり17.6キロとなっている。
ピーチが機内で販売するのは、専用限定車「#PinkBeetle Peach Edition」。ピンクビートルをベースに、同色のボディーカラーにピーチのロゴやブランドカラーのストライプを配し、ピンクビートルと異なる17インチのアルミホーイルを装着している。
価格は同じく307万円で、販売台数は先着5台。12月20日まで機内販売を予定している。購入者には、ピーチの運賃などの支払いに使える「ピーチポイント」を、10万円分プレゼントする。VWが日本で自動車を機内で販売するのは初めてだという。
関空内でも使用
ピーチのブランドカラーは、深い赤とピンクの中間色「フーシア(フクシア)」。VWによると、当初は標準的なピンク色を検討していたが、中国市場などで人気が高いフーシア色に決まったという。
ピーチの井上CEOは、「VW側からコラボレーションの打診があった。VWは“ピープルズ・カー(大衆車)”で、ピーチは“空飛ぶ電車”と、ビジョンに共通点がある」と説明。ピーチの利用者は全体の56%が20-30歳代の女性で、最近では定年後に旅行やサーフィンなど趣味のための移動手段として利用するアクティブシニアも増えており、自社の利用者層に乗って欲しいという。「すべてファーストムーバーでありたい。利用者にWow!を届けたい」と語った。
VWJのティル・シェア代表取締役は、「地上と上空で、自由なモビリティ(移動)を提供しているのが両社の共通点。ビートルはVWのアイコンであり、ピンクのイメージはポジティブだ。ピンクのビートルを見かければ、思わずニコッとなるだろう」と話した。シェア氏によると、VWの車名でソーシャルメディアで使われる単語の「ハッシュタグ」を使ったのは初めてだという。
また、ピーチは5台のピンクビートルを、関空内で業務に使う「ランプカー」として2017年4月までの6カ月間導入する。関空では飛行機を降りた乗客が、機体の写真を撮って到着口へ向かう姿がよく見られる。井上CEOは、「安全上問題がない範囲で、飛行機を降りた人が写真を撮れるようにできないか、考えてみたい」と話し、機体と共にランプカーでも乗客に楽しんでもらえる仕掛けを検討していく。
関連リンク
ピーチ・アビエーション
フォルクスワーゲン
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