日本航空(JAL、9201)は10月13日、小学生から公募したデザインを描いたボーイング787-8型機(186席)の特別塗装機を報道関係者に公開した。スタジオジブリとJALが共同で進めている「空を飛ぶ。」プロジェクトの一環。14日の羽田-北京線から就航する。
デザインは2007年8月から08年1月の間に国内外の小学生から公募。「あなたが乗って旅してみたい、空飛ぶ乗り物」がテーマで1万3474点の応募があり、最優秀作品1点と優秀作品6点が選ばれていた。787の引き渡しが大幅に遅れたため、機体のお披露目も4年越しとなり、受賞当時は小学生だった入賞者たちも、多くが中学・高校生に成長した。
最優秀賞を受賞した山口裕子さん(15)は、「このような日を迎えられて幸せです」と感想を話し、優秀賞の吉村侑一郎さん(16)は「一時期、飛ぶのか大丈夫かなと思ったけど、本当に飛ぶことになってよかったです」と率直な思いを語った。
JALの植木義晴社長は「皆さんにも大きな夢がいっぱいあると思う。決してあきらめていただきたくない。必ずできるんだ、という強い思いを持てば、夢は必ず達成できるものだと思う」と、受賞した生徒たちにエールを送った。
機体には宮崎駿監督の絵も描かれている。スタジオジブリの鈴木敏夫プロデューサーは、機体に描く絵のレイアウトを宮崎監督と考えていた際、「子供たちの描いた絵には勝てない」と宮崎監督が話していたと逸話を披露。「機体に絵を描くのは人々の気を引きたいからで、ともすると品がなくなる。(機体に描かれた)子供たちの絵は品を保っているのが、僕はうれしかった」と話した。
受賞者への記念品贈呈後は、福島県いわき市内の小学生を交えて、787の機内でミニ航空教室と機内見学会が開かれた。参加した子供たちは窓の明るさをボタンで変えられる電子シェードや、各シートに装備されたモニターでマンガが見られる「スカイマンガ」などに興味を示していた。
特別塗装を施したのはJALの787の5号機(登録番号JA828J)。片側50枚ずつ、計100枚のデカールを外装に貼り付けて描いた。宮崎監督の絵を先頭に優秀賞3点が続き、最後尾に最優秀作品が青空を飛行する様を表現した。
同機は14日の羽田-北京線から就航し、北京のほかシンガポールやモスクワ、ボストン、サンディエゴ線で運航する。運航期間は14日から13年3月31日までの予定。
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「空を飛ぶ。」プロジェクト(日本航空)
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