ボーイングは10月11日、同社が手掛ける民間機の現状について、都内で報道関係者に説明した。開発が進む小型機「737 MAX」は11月上旬までに飛行試験を終え、ローンチカスタマーの米サウスウエスト航空(SWA/WN)へは、量産初号機を2017年中ごろに引き渡す見通しだ。
また、787で最大サイズとなる787-10や、777の後継となる777Xについても、開発が順調に進んでいることをアピールした。
一方、737 MAXを大型化する「737 MAX 10」や、北米の航空会社を中心に需要がある中型機757の後継機については、検討を進めていると述べるに留めた。
—記事の概要—
・737 MAXは開発順調
・737 MAX 10と757後継「市場異なる」
・787-10も計画通り
・767は継続
・777Xは787との共通性改善
737 MAXは開発順調
737 MAXは737の発展型で、新型エンジンを採用した4機種で構成。標準型は1月29日に初飛行した737 MAX 8(1クラス最大189席)で、日本の航空会社も多数導入している737-800の後継となる。737 MAX 8をLCC向けに座席数を増やした737 MAX 200(同200席)、もっとも胴体が短い機体で737-700の後継となる737 MAX 7(同172席)、胴体がもっとも長い737-900ERの後継機737 MAX 9(同220席)がある。
来日したボーイング民間航空機部門マーケティング担当バイス・プレジデントのランディ・ティンゼス氏は、試験機4機で実施している飛行試験の進捗について、「10月末から11月上旬には終わる見通しで、2017年に入り型式証明を取得する。2017年中ごろには、サウスウエスト航空へ初号機を引き渡す」と現状を説明。「737 MAXの開発は、スケジュールよりもかなり前倒ししている」と、開発が順調に進んでいることを強調した。
また、737 MAX 9は2017年に初飛行して2018年に引き渡し開始、737 MAX 7と737 MAX 200は2019年の引き渡しを予定している。
一方、海外の航空会社からは、737 MAX 9よりも胴体が長い737 MAX 10を期待する声が挙がっており、ボーイングも年内には開発するか否かを決定する見通しだ。競合のエアバスは、すでにA320ファミリーの中で最大となる、A321neoの最大離陸重量を引き上げた「A321LR」を売り込んでいる。
737 MAX 10についてティンゼス氏は、「最近737 MAX 7を少し大きくした。基本的に顧客が主導していくものだ」と737 MAX 7の設計変更を引き合いに、顧客の要望に応じて開発を検討すると述べるにとどめた。
ボーイングは、7月に英国で開かれたファンボロー航空ショーで、737 MAX 7について座席数を増やすなど設計変更を発表。胴体を約1.9メートル(76インチ)延長し、2クラス時の座席数を従来計画より12席増の138席とした。航続距離も3915海里(約7250キロ)と、変更前よりも565海里(約1046キロ)伸ばしている。
737 MAXは68社から3280機受注。一方、ライバルのエアバスはA320neoファミリーを約1.5倍にあたる4812機受注しており、顧客のニーズに応じることで、巻き返しを図る。
737 MAX 10と757後継「市場異なる」
また、737 MAXと中大型機787の間に位置する「MOM(ミドル・オブ・ザ・マーケット)」の機体である757の後継機については、737 MAX 10とは異なる市場との見方を示した。
757は中型の双通路機767と同時開発された中型単通路機。メーカー標準座席数は、標準型の
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