エア・ドゥ(ADO/HD)は10月6日、LINEとの提携を発表した。18日からLINEにエア・ドゥの公式アカウントを開設し、搭乗に必要なQRコードをLINEで乗客のスマートフォンへ送るなどのサービスを始める。LINEを活用した搭乗サービスは、航空会社初だという。
LINEでQRコード配信
エア・ドゥは、LINEを活用して利用者ひとり一人のニーズに合ったサービス提供を目指す。18日午前11時からスタートさせる予定の新搭乗サービス「AIRDO ONLINE Service(エア・ドゥ オンライン サービス)」は、LINEの法人向けサービス「LINEビジネスコネクト」を導入。自社の搭乗システムと連動させ、サービスを提供する。
新サービスでは、LINEの公式アカウントで「友だち」登録すると、「トーク」画面で搭乗便の確認やQRコードの受け取りなどができる。配信されたQRコードを、保安検査場の読み取り機にかざすと搭乗 可能になる。トーク画面では、エア・ドゥの地元北海道の旅行情報も発信していく。
また、エア・ドゥのウェブサイトへのリンクも用意。空席照会・予約、予約確認・購入、運航の見通し、会員サイト「My AIRDO」へのログインの4つの機能を持たせ、トーク画面の2種類の機能と合わせて、6つのサービスを「コンシェルジュ機能」として用意した。
首都圏での知名度向上へ
エア・ドゥは11月14日に設立20周年を迎えるが、首都圏や全国レベルでの知名度向上が課題。エア・ドゥの草野晋副社長は、「利用者への情報提供の工夫をしてきたが、ひとり一人とのつながりを模索していた。LINEは6000万人のユーザーがおり、なくてはならないツール。幅広い層を取り込みたい」と語った。
LINEの田端信太郎・上級執行役員は、「今の消費者はスマートフォン時代になり、メールの使用がどんどん減っている。iPhoneやAndroid上のネイティブアプリを提供している航空会社もあるが、こうしたアプリが上位に入ることは難しく、出張族でもないと利用頻度が高くない。LINEは頻度が高く、タイムリーに運航情報などを提供できる」とメリットをアピールした。
目標ユーザー数は「150万人を目指す」(草野副社長)。企業が支払う利用料が高額だと言われる、LINE公式アカウントを使ったサービス導入については、「ユーザー数や機能の高さなど、総合的に考えた。私どもの規模だと、自分でアプリ開発して、ダウンロードしてもらうのが難しい」と経緯を説明した。
一方、LINEはサービス開始以降、セキュリティー関連でユーザーから厳しい目が向けられている。草野副社長は「諸説あるが、LINEを信じている。セキュリティーはお任せしたい」と述べた。
エア・ドゥでは今後、利用者からの問い合わせ対応など、LINEを利用したサービスを拡充予定。また、エア・ドゥのマスコットキャラクター「ベア・ドゥ」のLINEスタンプ全8種類を、18日から2017年1月9日まで配信するほか、公式アカウント開設記念のキャンペーンを展開していく。
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