MRJ, エアライン, 機体 — 2016年9月2日 21:50 JST

ANA塗装のMRJ、最終組立工場に 三菱航空機、飛行試験5号機を移送

By
  • 共有する:
  • Print This Post

 三菱航空機は、5機製造されるMRJの飛行試験機のうち、ローンチカスタマーである全日本空輸(ANA/NH)の塗装を施した5号機(登録番号JA25MJ)を、8月20日に最終組立工場へ移したことを9月1日付で公表した。

最終組立工場へ移されるANA塗装が施されたMRJの飛行試験5号機(三菱航空機提供)

 これまでは三菱重工業(7011)の小牧南工場第6格納庫で、5号機の組立などを実施していた。技術試験や機能試験を実施するため、今年3月に建屋が竣工した最終組立工場へ移された。

 5号機は深夜に第6格納庫を出発。公道を横断し、県営名古屋(小牧)空港に隣接する最終組立工場へ運ばれた。

 飛行試験機は、初号機(JA21MJ)から4号機(JA24MJ)までを、年内に米ワシントン州モーゼスレイクのグラントカウンティ国際空港へフェリー(空輸)する。

 当初は8月末までに、初号機小牧からモーゼスレイクへフェリーする予定だった。8月27日にフェリーフライトを実施した際、空調システムの左舷用監視装置に不具合が発生。給油する新千歳空港へ向かう際、出発地の小牧へ引き返した。装置を交換し、翌28日に再度フェリーフライトに向かったが、再び同じ箇所に不具合が発生して新千歳へ向かう途中で小牧へ引き返し、2日連続でフェリーフライトを断念している。

 この影響で、9月9日に予定していたグランド・カウンティ空港内に新設した、米国の開発拠点「モーゼスレイク・フライトテスト・センター(MFC)」の開所式は中止となった。

 MRJは8月31日に正式契約した米エアロリースの発注により、ANAや日本航空(JAL/JL、9201)など計7社から427機(確定発注233機、オプション170機、購入権24機)を受注している。

公道を横断するANA塗装が施されたMRJの飛行試験5号機(三菱航空機提供)

関連リンク
三菱航空機

MRJのANA塗装試験機、初飛行17年初めに 初号機は9月米国へ(16年9月12日)
米エアロリース、MRJ正式契約 最大20機、18年納入(16年8月31日)

試験機は米国に向かうも2日連続で引き返し
MRJの米国拠点、開所式中止 フェリーフライトは北回り継続に(16年9月1日)
MRJの2日連続引き返し、同じ空調監視装置に不具合(16年8月30日)
MRJ、再び名古屋へ引き返す 昨日と同じ故障検知(16年8月28日)
MRJ、名古屋出発しフェリー再挑戦 新千歳経由で米国へ(16年8月28日)
MRJ、名古屋へ引き返し 空調に異常か(16年8月27日)
MRJ、米国拠点向け名古屋出発 新千歳経由で(16年8月27日)