ソラシドエア(旧スカイネットアジア航空、SNJ/6J)は7月25日、熊本地震からの復興支援プロジェクトの一環として、デカールによる特別塗装機「がんばるけん!くまモンGO」(ボーイング737-800型、登録番号JA812X)を26日から運航すると発表した。初便は羽田を午前7時10分に出発する熊本行き6J11便を予定している。
*初便の羽田出発時の記事はこちら。
3機目のくまモンGO
宮崎県に本社を置くソラシドは、羽田と那覇から九州・沖縄路線を12機の737-800で運航。熊本県の人気キャラクター「くまモン」を描いた特別塗装機を、羽田-熊本線が就航10周年を迎えた2013年から運航しており、今回の「がんばるけん!くまモンGO」は3機目となる。
最初の機体「くまモンGO!」(登録番号JA802X)は、2013年3月26日から2014年4月2日まで運航。同月10日からは特別デカール機「阿蘇草原再生くまモンGO!」(JA802X)に改め、今年7月20日まで運航した。デカールをはがすのは8月を予定している。
ソラシドは、2013年8月から熊本県での地域貢献活動として阿蘇草原再生事業に取り組み、PRの一環として「阿蘇草原再生くまモンGO!」を就航させた。2014年4月から今年7月までの期間中に4958便を運航し、57万262人を運んだ。
25日、熊本県庁を訪れたソラシドの髙橋洋社長は、蒲島郁夫知事や阿蘇草原再生協議会の高橋佳孝会長に活動結果を報告。高橋会長からは感謝状が贈呈された。髙橋社長から高橋会長には「阿蘇草原再生くまモンGO!」の写真をまとめたフォトブックが手渡され、蒲島知事には「がんばるけん!くまモンGO」の模型が進呈された。
継続的な観光需要増に
26日に就航する「がんばるけん!くまモンGO」は、ソラシドが運航する全10路線で運航。機体後部にくまモンのイラストを描き、乗客が乗り降りする前方左ドア付近には、熊本県が復興に向けて共用している「がんばるけん! くまもとけん!」というメッセージと共にくまモンが描かれたデカールを貼り付ける。
客室乗務員がくまモンが描かれたオリジナルのエプロンを着用するほか、熊本県の情報誌を各席のシートポケットに置く。髙橋社長と県庁を訪れた、熊本県出身の客室乗務員の甲斐陽来(きよら)さんが、蒲島知事らの前で着用した。
髙橋社長は、「機内販売の売上の一部を、日本赤十字に寄付する。今回は1年限定の運航ではなく、飛行機が続く限り飛ばし、イベントやピーアールを行っていきたい」と意気込みを語った。
蒲島知事は、4月に発生した熊本地震について「歴史的に珍しく、28時間以内に阪神淡路大震災級の地震が2回起きた。これは対応をとても難しくしている。もう一つは1900回という、異常な長さの余震が続いており、なかなか終わりが見えない」と、地震発生から3カ月経った現状を語った。
「熊本県は被災者の苦痛の最小化、創造的復興、復旧復興を熊本の発展につなげるの3つを原則に掲げている。創造的復興で単に元に戻すのではなく、前よりも良い形で復興していきたい」(蒲島知事)と述べた。
県庁には、“サプライズゲスト”としてくまモンが登場。蒲島知事は「くまモンの大切さを、震災で改めて認識した」と、髙橋社長に語りかけていた。
髙橋社長は熊本支援の取り組みについて、「ソラシドとしての義援金のほか、5月から始まったマイレージの寄付では167万円集まった。機内販売では毎月の売上の一部を寄付していきたい」と語った。
羽田-熊本線は、6月2日から1日5往復の通常運航に戻った。6月のロードファクター(座席利用率)について、髙橋社長は「前年を少し上回ったが、復興関係のビジネス需要が多く、観光需要の落ち込みをカバーした。現在は観光需要が増えているが、九州は10-12月の需要が非常に大事。「ふっこう割」が8月末でなくなってストンと落ちることがあってはならず、継続的なものにしなければならない」と気を引き締めた。
関連リンク
ソラシドエア
初便就航
・くまモンGO、熊本へGO! ソラシド、復興支援で特別塗装機(16年7月26日)
熊本地震関連
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