ボンバルディアは、開発を進めている小型旅客機「Cシリーズ」のCS300について、カナダ運輸省から型式証明を取得した。
Cシリーズは座席数が130-160席のCS300と、110-125席のCS100で構成。これまでの同クラスの旅客機と比べて、燃費を20%、運用コストを乗客1人あたり18%抑えており、二酸化炭素(CO2)排出量は20%、窒素酸化物(NOx)排出量は50%削減できるとしている。静粛性の高さや窓の大きさ、シートの幅の広さ、客室内の頭上収納スペース(オーバーヘッドビン)が大型である点などの特長がある。
エンジンは、米プラット・アンド・ホイットニー社製GTF(ギヤード・ターボファン)エンジン「PurePower PW1500G」を搭載する。2015年2月には初飛行に成功。同年6月に開催されたパリ航空ショー2015では、地上展示のほか、デモフライトで低騒音をアピールした。PW社のGTFエンジンは、三菱航空機が開発中の「MRJ」や、エンブラエルの「E2シリーズ」も採用している。
CS300とCS100の部品は99%共通化しており、パイロットのライセンスも同じもので操縦できる。
今回の型式証明取得は、ファンボロー航空ショー期間中の7月11日に発表。ボンバルディアによると、FAA(米国連邦航空局)とEASA(欧州航空安全局)からも、近く型式証明を取得できる見込みだという。
Cシリーズの確定発注は370機。CS300の量産初号機は、2016年10-12月期にラトビアのエア・バルティック(BTI/BT)へ引き渡される予定。CS100は、スイス インターナショナルエアラインズ(SWR/LX)が、7月15日にチューリッヒ-パリ線に初便を就航させた。
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Cシリーズ(ボンバルディア)
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