エアライン, ボーイング, 機体 — 2016年7月15日 21:59 JST

ボーイングのコナー社長、777貨物機転用「市場まだ小さい」

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 ボーイング民間航空機部門のレイ・コナー社長兼CEO(最高経営責任者)は、777型機を旅客機から貨物機へ改修する「777-200ER BCF」をローンチする可能性について、「市場がまだ小さい」として現時点では早期着手を考えていないと、Aviation Wireに答えた。

羽田を離陸するANA初の777退役機JA8199=16年5月 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

 777は1990年10月15日、ユナイテッド航空(UAL/UA)がローンチカスタマーとして777-200を発注。日本の航空会社では、全日本空輸(ANA/NH)が同年12月19日に初めて発注した。

 国内初の777となったのは、ANAの777-200(登録番号JA8197)。1995年10月4日に引き渡され、同年12月23日に羽田-伊丹線が最初の運航路線となった。一方、国内初の退役機となったのは、日本航空(JAL/JL、9201)の777-200の国内線仕様機(JA8981)で、2014年6月に売却先へ向かった。ANA機では、今年5月に777-200の3号機(JA8199)が退役している。

 ボーイングでは、旅客機から貨物機へ改修する「ボーイング・コンバーテッド・フレーター(BCF)」プログラムを、747や767、737で提供。777は777-200ERのBCFについて研究に着手しているものの、開発発表には至っていない。

 767のBCFは、国内ではANAカーゴを傘下に持つANAホールディングス(9202)が767-300BCFを7機保有。旅客機と同程度の機体価格になる新造貨物機「767-300F」は3機にとどめ、自社で退役した767を貨物機に転用している。

 一方、新造の大型貨物機は747-8Fと777Fを提供。カタログ価格は747-8Fが3億7910万ドル(約398億550万円)、777Fが3億1870万ドル(約334億6350万円)となっている。航空貨物会社が大型貨物機の新造機を発注する際、機首がせり上がり長尺貨物を積めるなど、747-8Fが持つ構造上の利点を必要としないケースでは、双発機の777Fが選定されることが多い。

 コナー社長は「767-300BCFの中型機市場は堅調だが、現時点で777BCFを求める市場規模がまだ小さい」と語った。

 ボーイングは今年2月、737-800を旅客機から貨物機へ改修する737-800BCFをローンチ。7顧客から確定発注30機とコミットメント25機の最大55機の受注を獲得したことで、開発を決定した。一方エアバスは、A330-300型機の貨物転用型「A330-300P2F」を、7月11日からロンドン近郊で開催中のファンボロー航空ショーでローンチしている。

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