エアライン — 2016年6月19日 16:40 JST

JAXAとANA、子供向け教室 大西宇宙飛行士を応援

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 全日本空輸(ANA/NH)の元副操縦士で、国際宇宙ステーション(ISS)第48次/第49次長期滞在クルーを務める、JAXA(宇宙航空研究開発機構)の大西卓哉宇宙飛行士の打ち上げを控えた6月19日、羽田空港にあるANAの格納庫では、子供向けのスタッフによる宇宙教室や航空教室が開かれた。

大西さんへの応援メッセージを書く子供たち=16年6月19日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

 大西さんは自社養成パイロットの訓練生として、1998年にANA入社。2003年10月からボーイング767型機の副操縦士として国際線と国内線に乗務し、2009年3月末日に退社した。

 7月7日に打ち上げが予定されているロシアのソユーズ宇宙船には、船長の操縦を補佐する「レフトシーター」として乗り込む。ISSでは、日本実験棟「きぼう」を利用した日本独自の研究を本格化させる。

 教室に招待されたのは、神奈川県内の小中学生40人と保護者の約80人と、横浜市立横浜サイエンスフロンティア高校の生徒8人。会場では、JAXAのスタッフによる宇宙教室や、ANAのスタッフによる航空教室などが開かれた。

 航空教室では、大西さんとペアを組んだことがあるANAの橋本章機長が、地上と上空での天気の違いや、飛行機が飛ぶ原理を説明。「大西さんがANAを退職する際、“いま、自分が任されていることを全力でやること”という言葉を残した。夢を実現するために大切にして欲しい」と、子供たちにエールを送った。

 宇宙教室では、JAXAの西川岳克フライトディレクタが講師を務め、ISSの構造や宇宙飛行士と運用管制官の役割分担、ソユーズの打ち上げから帰還までを説明。教室後には橋本機長とのディスカッションが開かれ、「安全」や「訓練」、「仲間」と宇宙飛行士とパイロットに共通する題材を基に、子供たちに空や宇宙の魅力を語りかけた。

 会場となったANAの格納庫には、「技術」「車両」「食」「展示」の4ブースが設けられ、ANAの整備士や客室乗務員らが解説。工具の重さを体験したり、デジタルカメラで宇宙飛行士用の食事を写真に収めたりしていた。

 ANAでは、打ち上げ当日も社員による応援イベントを計画しているという。

JAXAとANAが開いた航空宇宙教室に参加する子供たち=16年6月19日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

航空教室でパイロットの仕事や飛行機が飛ぶ原理を説明するANAの橋本機長=16年6月19日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

宇宙教室でISSやフライトディレクタの仕事を説明するJAXAの=16年6月19日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

宇宙飛行士やパイロットに共通するテーマを子供たちに語りかけるANAの橋本機長(左)とJAXAの西川フライトディレクタ=16年6月19日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

宇宙飛行士用の食料を写真に撮る男の子=16年6月19日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

大きな工具の重さを体験する男の子=16年6月19日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

機内食を用意するギャレーについて説明するANAの客室乗務員=16年6月19日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

空港で使用する車両を説明するANAのスタッフ=16年6月19日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

飛行機を整備する工具を説明するANAの整備士=16年6月19日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

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