5月27日午後0時38分ごろ、羽田空港のC滑走路(RWY34R)で離陸滑走を始めた大韓航空(KAL/KE)のソウル(金浦)行きKE2708便(ボーイング777-300、登録番号HL7534)の左エンジン(第1エンジン)から出火した。乗客302人と乗員17人の319人全員は脱出用シューターで脱出した。
*機体は滑走路から牽引車で移動(記事はこちら)。
KE2708便は、定刻より5分早い午後0時15分に羽田空港113番スポットから出発。C滑走路海側から離陸滑走中に左エンジンから出火し、煙が出た。機体周辺には東京消防庁や国土交通省航空局(JCAB)の消防車、警視庁などの車両数十台が集結。消火活動と乗員乗客の避難誘導にあたった。
羽田空港には4本の滑走路がある。JCABの東京空港事務所によると、大韓機が火災を起こしたC滑走路を除く3本の滑走路は、午後2時34分に運用を再開した。
全日本空輸(ANA/NH)と日本航空(JAL/JL、9201)によると、事故の影響により欠航や遅延のほか、羽田へ向かう便の中には出発空港への引き返し、ダイバート(目的地変更)した便も発生したという。
ANAでは、国内線131便が欠航し、約2万8800人に影響。11便が仙台と成田、伊丹、関西の各空港へダイバート。JALでは、国内線95便が欠航し、約1万7115人に影響が及び、国内線5便が成田と伊丹、関空へ、国際線1便が成田へダイバートした。
スカイマーク(SKY/BC)は25便が欠航し、約4270人に影響。4便がダイバートとなり、茨城と神戸へ向かった。スターフライヤー(SFJ/7G、9206)は21便の欠航が決定し、北九州発羽田行き7G80便が静岡へ、福岡発羽田行き7G44便が関空へダイバートした。エア・ドゥ(ADO/HD)は16便が欠航し、1便が福島へダイバートした。ソラシドエア(旧スカイネットアジア航空、SNJ/6J)では、11便が欠航し1249人に影響が生じ、1便が成田へダイバートした。
航空各社によると、滑走路の運用再開後もカウンターが混雑しており、出発に時間が掛かりそうだという。また、羽田へ向かう便も出発地の運用時間内に出発できない可能性があるといい、空の便は終日混乱が続きそうだ。
午後3時45分現在、大韓機の左エンジンへの放水活動が続いている。エンジンカウル後方は破損しているように見える。
*27日午後5時53分ごろから、機体は滑走路から牽引車で移動(記事はこちら)。
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大韓航空
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【お知らせ】
記事初出時にHL7534を777-300ERと記していましたが777-300無印でした。訂正してお詫び申し上げます。本文は修正済みです。(16年5月27日 16:45 JST)