エアバス, エアライン, 企業, 機体 — 2016年5月25日 16:30 JST

川崎重工、A350のエンジンMRO参入へ JAL導入合わせ20年度以降

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 川崎重工業(7012)は、エアバスA350 XWB型機用エンジンのMRO(整備・改修・オーバーホール)事業について、2020年度以降の参入を目指す。日本航空(JAL/JL、9201)のA350導入時期に照準を合わせ、進出準備を本格化させる。

川崎重工がエンジンのMRO参入を目指すA350=14年11月 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

 A350のエンジンは、英ロールス・ロイスが「トレントXWB」を独占供給。川崎重工はロールス・ロイスのリスク・アンド・レベニューシェアリングパートナー(RRSP)として、中圧圧縮機(IPC)モジュールの設計や製造、組立を担当している。

 A350 XWBは3機種で構成。座席数はメーカー標準仕様で短胴型のA350-800が280席、標準型のA350-900が325席、長胴型のA350-1000が366席。A350-900の量産初号機は、2014年12月にカタール航空(QTR/QR)へ引き渡された。4月末時点で、A350 XWBは世界43社から803機受注しており、現在は5社が20機を運航している。

 日本の航空会社では、日本航空(JAL/JL、9201)がボーイング777型機の後継機として、A350-900とA350-1000を合わせて最大56機導入。確定発注はA350-900が18機、A350-1000が13機の31機で、オプションの残り25機の機種は今後決定する。運航開始は2019年の予定で、777を6年程度で置き換える。

 川崎重工はJALやロールス・ロイスと協調し、当初は国内でMRO事業を展開する計画。JALが運航するA350向けエンジンの試運転から受注し、分解組立や修理にも進出する。すでに自衛隊機向けMRO事業を手掛けているが、民間機向けは新規投資が必要なことから、段階的な参入を目指す。

 国内の重工メーカーのMRO事業進出では、三菱重工業(7011)が全日本空輸(ANA/NH)を傘下に持つANAホールディングス(9202)やジャムコ(7408)、沖縄振興開発金融公庫、琉球銀行、沖縄銀行、沖縄海邦銀行、沖縄電力(9511)の8者で新会社「MROジャパン」を2015年6月1日に設立。資本金は10億円で、出資比率はANAHDが45%、ジャムコが25%、三菱重工が20%で、残りを琉球・沖縄・沖縄海邦の各行と沖縄電力が2%ずつとなっている。MROジャパンは、民間機の整備や修理、改修を主要事業としている。

関連リンク
川崎重工業
Rolls-Royce
A350 XWB(Airbus)
Airbus
エアバス・ジャパン
日本航空

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