本田技研工業(7267)の米国子会社ホンダ エアクラフト カンパニー(HACI)は現地時間5月23日、小型ビジネスジェット機「HondaJet(ホンダジェット)」がEASA(欧州航空安全局)型式証明を取得したと発表した。今後は「欧州籍」の機体を納入できるようになる。
スイスのジュネーブで、5月24日から26日まで開催中のビジネス航空ショー「EBACE(European Business Aviation Conference&Exhibition)2016」で発表した。
ホンダジェットはHACIが開発。主翼上に配された低騒音エンジンや複合材を使った胴体、標準仕様で乗客4人が乗れるゆったりとした客室などが特徴。エンジンは米GEとの合弁会社GEホンダ製HF120を搭載し、パイロット1人でも運航できる。
2015年4月から、米国以外での公開は初めてとなるワールドツアーを実施。日本を含む13カ国に飛来し、量産16号機(登録番号N420HE)が4月23日、羽田空港に到着した。25日に羽田空港の格納庫でメディア向けに公開後、25日に仙台空港、26日に神戸空港、29日に熊本空港、5月2日から3日までは岡山市の岡南飛行場で、4日には成田空港でデモ飛行や見学会を実施し、空港を訪れた多くの人を魅了した。
これまでに北米と欧州で、100機以上を販売している。主に個人や企業の自家用機として、購入されている。5月23日現在、全世界で9機を納入している。内訳は米国に6機、メキシコに1機、欧州に2機。
欧州では今年4月から引き渡しを開始。欧州中部エリアを担当する販売会社、独ラインランド・エア・サービス(Rheinland Air Service、RAS)に引き渡している。ホンダによると、4月に引き渡したのは米国籍の機体で、今後は欧州籍への切り替えを予定しているという。
ホンダジェットは2015年3月、FAA(米国連邦航空局)の事前型式証明(PTC)を、同年12月8日にFAAの型式証明をそれぞれ取得している。
日本ツアー
・ホンダジェット、成田空港で日本ツアー最終日(15年5月5日)
・熊本の400人魅了 写真特集・ホンダジェットのデモ飛行(15年5月4日)
・ホンダジェット、熊本でデモ飛行 九州初飛来(15年4月30日)
・美しきビジネスジェット、羽田に飛来 写真特集・ホンダジェット日本初公開(15年4月27日)
・ホンダジェット、羽田初飛来 仙台から到着(15年4月23日)
藤野社長インタビュー
・「飛行機設計は頭脳握るべき」ホンダジェット、藤野社長インタビュー(15年5月11日)
・ホンダジェット「フェラガモの靴からイメージ」 藤野社長、次の機体に意欲(15年4月24日)
欧州での動き
・ホンダジェット、欧州でも引き渡し 100機超で受注好調(16年4月21日)
・ホンダジェット、欧州初飛来 販社も決定(15年5月18日)
欧州以外での動き
・ホンダジェット、引き渡し開始(15年12月24日)
・ホンダジェット、FAAの型式証明取得 引渡開始へ(15年12月10日)
・ホンダジェット、FAAの型式証明取得へ 週内に試験終了で(15年11月18日)
・ホンダジェット、ブラジルで受注目指す 中南米見本市出展へ (15年7月21日)