日本航空(JAL/JL、9201)グループのジェイエア(JAR/XM)は5月10日、伊丹-鹿児島線でエンブラエル190(E190、登録番号JA241J)型機の運航を開始した。初便のJL2401便は、乗客94人と乗員5人を乗せて伊丹空港を午前7時26分に出発。雨の降る鹿児島空港へは、午前8時37分に10番スポットへ到着した。
JAL国内線初のシート電源
E190はブラジルのエンブラエル社製で、国内の航空会社が導入するのは初めて。ジェイエアが2009年2月から導入しているエンブラエル170(E170)型機が1クラス76席なのに対し、E190は2クラス95席。上級シートの「クラスJ」が15席(1列1席+2席)と普通席80席(1列2席+2席)で、リージョナル機にクラスJを初導入した。
シート素材は、JALの国内線新仕様機「JAL SKY NEXT(JALスカイネクスト)」と同等のものを採用。両クラスとも黒の本革シートで、JALグループの国内線用機材では初めて、パソコンなどが充電できる電源コンセントを全席に完備(普通席は2席共用)している。
2016年度末には、Wi-Fiを利用した無料ビデオ番組サービスを開始予定。乗客が手持ちのスマートフォンやタブレット、ノートパソコンなど無線LAN対応機器を使い、ビデオ番組を視聴できるようにする。
胴体はE170と比べて全長が6.3メートル長い36.2メートル、全幅が2.7メートル広い28.7メートル。エンジンはE170が推力5900キロのGE製CF34-8Eを2基だったのに対し、E190は推力7757キロのCF34-10Eを採用している。航続距離は3000キロとE170より400キロ伸びた。
E190による定期便初便のJL2401便と折り返しの伊丹行きJL2402便は、運航乗員訓練部路線教官室長の間野公太機長と、ERJ運航乗員部の長谷川涼子副操縦士が操縦。客室乗務員は通常2人乗務だが、3カ月間は習熟のため3人体制で運航し、中條(ちゅうじょう)美和さんと水島麻美さん、渡邉有美子さんが初便を担当した。
鹿児島発の初便となったJL2402便は満席となる乗客95人を乗せ、午前9時18分に出発。伊丹には午前10時36分に戻った。副操縦士の長谷川さんは鹿児島出身で、空港で開かれた式典には鹿児島出身の客室乗務員が出席した。
伊丹-鹿児島線は、1日7往復のうち4往復をE190で、残りをE170で運航。2号機が就航する7月からは伊丹-福岡線と仙台線にも投入し、福岡線は1日4往復中の1往復、仙台線は1日7往復中の3往復を運航する。
エンブラエルに統一後MRJへ
鹿児島空港で開かれた就航式典で、JALの植木義晴社長は「鹿児島はジェイエアが伊丹便を7往復、JALが羽田便を8往復運航しており、日本エアコミューター(JAC/JC)が本社を構え、離島路線を飛ばしている」と、JALグループとして重要な空港であることを強調。
「伊丹-鹿児島線はロードファクター(座席利用率)も高くなってきており、E190の95席がちょうど良いサイズ。ビジネス客も多いので、クラスJを好んでいただけるのではないか」と期待感を示した。
植木社長はかつてジェイエアで、副社長とボンバルディアCRJ200型機(1クラス50席)の機長を兼務していた。「エンブラエル機は、E170の初号機受領にサンパウロまで行った思い出のある飛行機。E170とともに活躍して欲しい」と語った。
JALは2014年8月28日、E190と追加発注となるE170の2機種合計で確定発注15機、オプション契約12機の最大27機を導入する契約を結んだ。2016年度は、E190を5機受領する。2号機(JA242J)の運航開始は7月、3号機(JA243J)は9月就航を予定している。また、三菱航空機のMRJも32機発注済み。
植木社長は、「E170とE190合計32機で、エンブラエル機にいったん統一する。2021年から7年くらいかけて、順次MRJに置き換えていくことになる」と述べ、「ジェイエアは路線も拡大し新しい機材を受け入れているので、大変なこともあると思うが伊丹ベースで利用者の利便性向上に貢献して欲しい」と語った。
*写真は17枚。
関連リンク
新仕様機 エンブラエル190導入!(日本航空)
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写真特集・ジェイエアE190
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