デルタ航空(DAL)のエドワード・バスティアン社長は9月13日、同社の現状について都内で会見した。アジア太平洋地域の事業については、日本以外の同地域と米国間の直行便数は2010年以降30%近く増加。日本は他のアジア諸国と比べて成熟期を迎えているものの、日米路線数が日本で運航する航空会社で最多であることを挙げ、DALの太平洋ネットワークの要となる最需要市場だと強調した。
成田と羽田両空港については、効果的に使い分けていく方向性を示した。成田はアジア全域への路線接続があり、ハブ空港として今後も重要だと述べる一方、羽田は9月末でデトロイト線を運休し、同路線の運航権をシアトル線へ振り替える計画を米国運輸省(DOT)に申請済みで、都心の需要を取り込む戦略的な空港と位置づけた。
シアトルはDALと提携しているアラスカ航空(ASA)のハブであり、羽田に乗り入れていない米国最大のゲートウェイであると示し、2010年の羽田発着枠申請時も第一選択肢としてシアトルを申請していたことを改めて述べた。
日本国内の未就航地については、すでに需要の見込める空港は就航済みとして、当面拡大する意向はないと語った。
また、今年買収した米国ペンシルベニア州南部トレイナーにある製油所は、9月末までにジェット燃料の生産を開始し、2013年には計画通り年間3億ドル(約234億円)の利益を生み出すとの見通しを述べた。
製油所がフル稼働するとDALの米国国内線用ジェット燃料の80%をまかなえるという。バスティアン社長は、同製油所以外の施設や他事業の買収を行う計画は現段階ではないと語った。
労使関係については先ごろ運航乗務員の組合と3年間の契約を6カ月前倒しで締結した例を引き合いに、良好な関係を継続できていると述べた。
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