天草エアライン(AHX/MZ)唯一の機材として16年間飛び続け、2月19日に退役した初代「みぞか号」(ボンバルディアDHC-8-103、登録番号JA81AM)が3月18日午後、天草空港を出発して鹿児島空港へ到着した。
初代みぞか号は午後1時1分、天草エアラインの社員に見送られて天草空港を出発。午後1時4分に離陸し、30分ほどで鹿児島空港へ到着した。
フェリーフライト(回送)の操縦は、最終便と同じ谷本真一機長と金子照夫副操縦士が担当。整備士と共に、初代みぞか号にとって天草エアライン最後のフライトに臨んだ
初代みぞか号は、2月19日の福岡発天草行きMZ108便を最後に退役。20日からは、2代目のみぞか号(ATR42-600型機、登録番号JA01AM)にバトンタッチした。座席数は初代の39席から9席多い48席となり、機内空間もゆとりを持たせたサイズになった。
売却先は2代目のリース会社であるデンマークのノルディック・アビエーション・キャピタル(NAC)。天草エアラインによると、18日の手続き完了で同社の手を離れたため、今後の予定はわからないという。
2000年3月23日の就航から16年間で、初代みぞか号の総飛行距離は地球約310周分にあたる約1250万キロメートル、運んだ乗客は約120万人にのぼった。
金子さんによると、鹿児島に到着してから自走点検などを行い、フェリーフライトを終えたという。谷本さんは「今日も(天草空港の)展望デッキには多くの方がいらしてくれて、うれしかったです」と、ラストフライトを見届けようと集まった人たちに感謝していた。
「これからすぐ、シンガポールで(ATRへの)機種移行訓練です。40日間頑張ってきますよ」と笑顔で話す谷本さん。初代みぞか号を送り出したパイロットたちも、次の道を歩み始めた。
*写真は5枚。
写真特集・天草エアみぞか号、初代から2代目へ(全3回)
(1)「リクライニングもできず、心苦しかった」(16年2月27日、初代編)
(2)「あっという間に行っちゃった」(16年3月6日、2代目編)
(3) 新制服はちょっと派手?!(16年3月15日、新制服編)
初代みぞか号退役
・天草エアライン、たった1機のみぞか号退役 16年で地球310周分飛ぶ(16年2月19日)
2代目みぞか号就航
・天草エアライン、2代目みぞか号就航 新制服も導入(16年2月20日)
2代目みぞか号が天草到着
・天草エアライン、新造機ATR42が天草到着 放水アーチで歓迎(16年1月7日)
写真特集・天草エア2代目みぞか号地元入り
・前編 翼振って天草到着(16年1月11日)
・後編 CAもモップ手に機体清掃(16年1月13日)
写真特集・天草エアラインATR42 2代目「みぞか号」
・機体編 親子イルカ塗装を踏襲(15年10月4日)
・機内編 客室前方は対面シート(15年10月4日)
2代目みぞか号が熊本到着
・天草エアライン、ATR42「Newみぞか号」公開 国内初導入(15年9月29日)
・天草エアライン、日本初のATR機が熊本到着 ファンサービスも(15年8月21日)