ノックスクート・エアライン(NCT/XW)は、日本時間3月14日からバンコク(ドンムアン)-成田間のチャーター便の運航を始めた。5月1日までで、タイからの訪日客を運ぶ。
機材はボーイング777-200型機で、座席数は415席(スクート・ビス24席、エコノミー391席)。運航スケジュールは成田行きXW918便がバンコクを午前1時50分に出発し、午前9時40分に成田着。バンコク行きXW919便は成田を午後3時40分に出て、午後8時55分に到着する。一部出発日は発着時刻が10分変更になる。
ノックスクートはタイ国際航空(THA/TG)系LCCのノックエア(NOK/DD)と、シンガポール航空(SIA/SQ)系LCCのスクート(SCO/TZ)が合弁で立ち上げた。今回のチャーターはタイからの訪日客向けで、日本では航空券を販売しない。ノックスクートによると、現時点で日本発便の販売予定はないという。
一方、タイの航空当局は2015年3月、国連の専門機関ICAO(国際民間航空機関)から「重大な安全上の懸念(SSC)」の指摘を受けた。タイ当局の担当者が、航空会社による新路線開設の申請などを、不十分な知識で審査していることをICAOが問題視した。
このあおりを受け、タイの航空会社はICAO加盟国への新規就航などが、原則として出来ない状況が、現在も続いている。
ノックスクートも、2015年3月末までに予定していたバンコク(ドンムアン)-成田線の定期便就航を延期。ICAOの判断を受け、国土交通省航空局(JCAB)が認可を保留しているためだ。JCABによると、今回のチャーター便は、過去に運航実績がある路線で機材も同じであること、安全性確認などの条件をクリアしたことで、運航が認められたという。
同様の事例では、ICAOは2009年にフィリピンの航空当局に対してSSCを指摘。2013年にSSC指定を解除している。
2015年1年間にタイから日本を訪れた人は79万6700人で、前年比で21.2%増加。訪日客の総数1973万7400人のうち、約4%にあたる。
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