エアライン, 解説・コラム — 2016年3月15日 08:50 JST

新制服はちょっと派手?! 写真特集・天草エアみぞか号、初代から2代目へ(3・終)

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 「えっ! 新制服? メイン(の担当者は)は私じゃないんですよぉ。近くに(担当が)いるかな?」。たった1機の小型機で運航する天草エアライン(AHX/MZ)の新造機、2代目「みぞか号」(ATR42-600型機、登録番号JA01AM)が就航した2月20日、客室乗務員や地上旅客係員をはじめとする女性社員の新制服も、この日から着用となった。

 2代目みぞか号の初便、福岡行きMZ101便は午前7時59分(定刻午前8時)に雨が降る天草を出発。加速の良さであっという間に離陸した2代目を見送ると、社員は式典会場となったターミナルのロビーを片付け始めた。

天草エアラインの新制服を着用する客室乗務員の村上さん(左)と井上さん=16年2月20日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

—記事の概要—
ストレッチ素材で動きやすく
機内の雰囲気明るく
写真15枚

写真特集・天草エアみぞか号、初代から2代目へ(全3回)
(1)「リクライニングもできず、心苦しかった」(初代編)
(2)「あっという間に行っちゃった」(2代目編)

 特集最終回となる今回は、2代目就航とともに着用を開始した新制服を取り上げる。

ストレッチ素材で動きやすく

 作業が一段落したころを見計らい、客室部の太田昌美部長に新制服のことを聞いてみた。冒頭のように、残念ながら太田部長は新制服の担当ではなかったが、「新制服のいいところ? ストレッチが入って動きやすくなったことですかね。ホラッ、ホラッ、屈伸も出来るし、高いところにも荷物を入れられますよー」と、その場で新制服の良さを身振り手振りを交えて“実演”してくれた。

村上さん(左)のスカーフを直す井上さん=16年2月20日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

初代みぞか号最終日までの着用となった旧制服で乗務する村上さん=16年2月19日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

 新制服のデザインは、みぞか号と同色を採り入れ、女性社員が中心となってコンセプトをまとめた。圧巻の実演がすぐに始まり、記者(私)は太田さんの屈伸姿を撮り逃してしまったが、確かに動きやすそうだ。ボトムはパンツスタイルとスカートを用意している。

 濃紺を基調とした昨日までの制服とは、印象も大きく変わった。一方、オフィス内の部署で働く女性社員からは、「機内やカウンターと違い、オフィスだとちょっと派手かも(笑)」という声も聞かれた。機体が世代交代しただけではなく、機内やチェックインカウンターの雰囲気も、明るい新制服の導入で変わった。

 新制服の特徴も、おおまかではあるがわかったので、モデルを客室乗務員の井上紗綾さんと村上茉莉子さんにお願いした。井上さんは午前10時5分発の熊本行き201便、村上さんは午後3時30分発の福岡行き105便がこの日最初の乗務とのことで、井上さんが乗務の準備に入る前に撮り終えることになった。

初代みぞか号最終日までの着用となった旧制服で乗務する井上さん=16年2月19日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

 ポケットの中身を一度出してもらい、井上さんが村上さんのスカーフなどを整えて撮影開始。背景が無地の場所や出発案内の前と、いくつかパターンをお願いしたが、快く引き受けてくれ、テンポ良く撮影できた。

 そして、少し柔らかい感じの写真を撮ろうと、早朝の就航式典で使ったバックパネルが片付けてあったので、前に並んでもらった。

 「私、村上より背が小さいから大きく撮ってください!」と、井上さんからリクエストが出た。

 天草エアラインには太田さんを含めて5人の客室乗務員がいる。その中でもっとも背が高いのが村上さんだ。長身の村上さんが少しかがみ、その後ろに井上さんが立ち、率先していろいろなポーズを取ってくれた。

機内の雰囲気明るく

 初代みぞか号が退役する19日に天草入りし、20日朝の2代目の初便出発、新制服と、予定していた取材はすべて完了した。雨と強風による悪天候で、初便以降は予定通り運航出来ない可能性も出てきたが、福岡行き105便には乗ることが出来た。

乗客から手渡されたログブックを記入する村上さん=16年2月20日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

 前日に乗った初代と比べ、2代目は機内が広い。そして離陸すると、加速の良さを実感した。105便の所要時間はわずか35分。客室乗務員の村上さんは、観光パンフレットを配りながら、乗客から手渡された「フライトログブック」を記入していた。LED照明となった機内でも、新制服はこれまでより明るい雰囲気を醸し出していた。

 雨模様の福岡空港へ着陸すると、ターミナルからやや離れた駐機場に到着。降機後はバス移動となった。以前の取材でノートパソコンを機内に置き忘れた際、駆け足で追いかけてきてくれた村上さんに改めて御礼のあいさつをし、私もバスに乗り込んだ。

 村上さんは雨が降る中、バスが出発すると機体から身を乗り出し、いつまでも笑顔で大きく手を振ってくれた。

 かわいいを意味する天草の方言「みぞか」。機体に合わせた新制服は、2代目みぞか号とともに、今日も天草の空を支えている。

(おわり)

*写真は15枚。

新制服を着用する村上さん(左)と井上さん。ボトムはパンツとスカートの2種類=16年2月20日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

「村上より背が高い写真を撮ってください!」とリクエストする井上さん(右)=16年2月20日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

LED照明と新制服で明るい雰囲気の機内=16年2月20日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

機内で観光パンフレットを配る村上さん=16年2月20日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

着陸前に時刻を確認(左)し、機内アナウンスする村上さん=16年2月20日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

福岡空港に到着しバスに乗った乗客に手を振る村上さん=16年2月20日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

機内からバスに乗った乗客に手を振る客室乗務員の村上さん=16年2月20日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

機体から身を乗り出してバスの乗客に手を振る村上さん=16年2月20日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

関連リンク
天草エアライン
天草空港

写真特集・天草エアみぞか号、初代から2代目へ(全3回)
(1)「リクライニングもできず、心苦しかった」(16年2月27日、初代編)
(2)「あっという間に行っちゃった」(16年3月6日、2代目編)

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