インプレスホールディングス(9479)傘下のインプレスが発行する「トラベル Watch」が2016年2月8日に掲載した記事「積雪量日本一の青森空港で、JAL の除雪体制を見る」(執筆者:鈴木崇芳、敬称略)に、弊社発行の航空経済紙「Aviation Wire」とイカロス出版発行の「月刊エアライン」の2媒体に掲載された記事を剽窃(ひょうせつ)した箇所が見つかりました。
弊紙では、2016年2月1日掲載記事「積雪量日本一の青森空港支える『ホワイトインパルス』」(文・写真:吉川忠行)から最低7箇所を盗用。月刊エアライン誌からも、2015年5月号の掲載記事「雪氷とたたかうANA新千歳空港のラインハンドリング」(文・写真:竹信大悟氏)を剽窃した箇所が多数確認されました。
弊紙編集部には2月8日以降、複数の読者から記事盗用の可能性についてご指摘をいただきました。その後、編集部内でトラベル Watch掲載記事を検証し、最低7箇所に疑義がある旨を、同誌編集部へ報告。担当者が執筆者へ確認した結果、2媒体の記事を剽窃したことが確認されました。
当該記事は2016年1月21日に、青森空港で朝から夕方まで、強く吹雪く中ほぼ1日掛かりで取材したものです。当初、弊紙が昨年秋から単独の企画取材として準備を進めてきたものですが、天候条件が限定されることや、他媒体からも同様の要望が取材先に寄せられたため、複数媒体による取材となりました。
当日の長い取材時間や、そこで得られるべき取材結果からは、弊紙掲載後に執筆しても、独自の視点による記事を出稿出来たと小職は考えます。
報酬を得る者が他人の記事を盗用し、自らの著作物として世に出すことは許されません。また、弊紙だけでも複数箇所が該当した上、盗用元が2媒体に及んだことは、極めて悪質であると判断致しました。
所謂「ウェブメディア」「ネット媒体」と呼ばれる媒体には、記事に対する信用・信頼性が低い、まともに取材しない・出来ないというイメージがあると、小職は感じています。これは記事を世に送り出す側、特に記事を書く者の倫理観や責任感に因るところが大きいのではないでしょうか。しかしながら、他人の著作物を我が物顔で掲載する「バイラルメディア」が幅をきかす昨今、こうした価値観は崩壊しているのかもしれません。
弊紙も現時点ではウェブサイトのみの媒体であることから、取材先に「ウェブメディア」「ネット媒体」と分類されてしまうことが少なくありません。
しかしながら、弊紙は既存の新聞社・通信社・出版社と同様、自らの視点で企画を立案し、自らの脚で現場に出向き、自らの目と耳で現場を捉え、自らの口で取材対象者と言葉を交わし、自らの手で記事を書き写真を撮り、自らの良心に基づき行動することを前提としています。そして、既存メディアに負けないスクープを追い続けることが存在意義と考えています。
2012年2月1日創刊の弊紙は、皆様のお力添えにより今月で5年目に入りました。日々資金ショートと隣り合わせの大変厳しい経営状況ではありますが、剽窃等の不祥事が起きぬよう、これまで以上に気を引き締めて取材に臨みます。
今後とも御愛読、御愛顧のほど、よろしくお願い申し上げます。
・積雪量日本一の青森空港支える「ホワイトインパルス」(16年2月1日)
・[雑誌]月刊エアライン 15年5月号「世界と日本のエアライン・フリート」(15年3月29日)