エアバス, エアライン, 機体, 空港, 解説・コラム — 2016年2月23日 11:00 JST

ホノルル就航、そして東証1部上場 特集・井手会長が描く新エアアジア・ジャパン(後編)

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 前編からのつづき。中部空港(セントレア)を拠点に就航準備を進めるエアアジア・ジャパン(DJ)。2015年12月の会長就任後、初めて表舞台に立った井手隆司会長は、ハワイ就航やエアバスA330型機導入、さらには米国西海岸就航といった、2020年までの事業計画を名古屋市内で開かれた講演会で披露した。

 セントレアへの連絡橋の往復料金の高さ、LCCターミナルの必要性、エアアジアの知名度の低さ、旧経営体制の印象──。前編では、主に愛知県や中部国際空港会社への要望やエアアジア・ジャパンの現状、就航までの具体的な計画を取り上げた。

 インバウンド(訪日観光客)の取り込みで事業基盤を構築し、日本人にとってなじみのあるハワイへ就航することで、アウトバウンド(日本からの渡航)の取り込みも狙うエアアジア・ジャパン。2月15日の講演で出た話題を振り返る(全2回)。

—記事の概要—
訪日重視経て渡航需要取り込む
16年:2号機受領はいつ?
17年:混雑空港避けた計画
18年:A330導入と成田拠点化
19年:ホノルル就航と台北拠点化
19年:ANAのA380ホノルル就航
20年:シアトル就航と東証1部上場

 後編では、どのような計画が2020年まで描かれているかを、1年ごとに見ていく。

訪日重視経て渡航需要取り込む

 2020年までの戦略として、井手会長はインバウンドの取り込みを意識した事業展開を図ると説明。その上で、日本からのアウトバウンド取り込みも狙う。東南アジア圏では知名度が高いエアアジア。その強みを生かした戦略と言える。まずはインバウンド需要の取り込みで、経営の安定化を図る。

ASEAN式挨拶で出迎えるエアアジア・ジャパンの客室乗務員。東南アジアでエアアジアの知名度は高い=15年10月 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

エアアジア・ジャパンのA320初号機JA01DJ=15年10月16日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

 機材はエアバスA320型機(1クラス180席)に加え、2018年からは双通路機のエアバスA330-300型機(現行のエアアジアX仕様は377席:ビジネス12席、エコノミー365席)を導入する。2月現在の機材は、2015年10月16日に到着したA320の初号機(登録番号JA01DJ)のみだ。

 現時点での就航予定時期は、今年7月から8月。翌2017年に黒字化を達成し、2018年には成田空港への就航とA330投入の実現を目指す。

 アウトバウンドの取り込みは2019年から本格化する。この年は中部と成田からホノルルへ就航し、2020年には中部と成田からシアトルへの就航を狙う。

16年:2号機受領はいつ?

 今夏の就航当初は、中部を拠点に札幌と仙台、台北へ路線を開設。1日2往復ずつ運航する。年末までの乗客数は15万人、1年間では30万人を見込む。機材は2機のA320でスタートする。

中部空港に着陸し駐機場へ向かうエアアジア・ジャパンのA320初号機。2号機はいつやってくるのか=15年10月16日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

 機材面では懸念材料もある。当初2月に受領予定だった2号機は「4月ごろがベスト」と井手会長は話す。しかし、「エアバスからは遅らせるのは1カ月と言われている」といい、3月までに受領するのが望ましい状況だ。

 2号機の受領体制が3月までに整っているか、あるいは4月以降にずれ込むかが、計画通り


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