日本航空(JAL/JL、9201)の客室乗務員が中心となったバザーが2月14日、成田市内で開かれた。24年前に市内在住の客室乗務員が、施設の子供たちへのクリスマスプレゼントなど、社会に役立てないかと自宅でガレージセールを開き、売上を施設に寄付したことがはじまりで、今回で22回目を迎えた。
衣料品などが飛ぶように売れる会場の一角には、客室乗務員の発案で始まった東北応援プロジェクト「JALの翼で世界を旅する『希望の鶴』」の写真展示コーナーが設けられていた。
「希望の鶴」は、宮城県石巻市の仮設住宅に住む人たちが復興への願いや、震災前の状態に向かう東北の姿を通じ、希望を届けたいという思いから、ひとつ一つ手作りしている折り鶴。被災者が自立した生活を送れるようにしていく活動の一環でもあり、JALの成田空港のカウンターやラウンジには、2014年から飾られている。
これを見た客室乗務員が機内でも飾り始め、2015年8月からは「JALの翼で世界を旅する『希望の鶴』」プロジェクトが始まった。客室乗務員が購入した希望の鶴が、世界各地のJALの就航地を旅するイメージで、各地の風景に希望の鶴を入れた構図で客室乗務員や運航乗務員が写真を撮影。乗客に折り鶴を通じ、東北支援を呼びかけている。
すでにニューヨークやボストン、ホノルル、ロンドン、フランクフルト、北京など、国際線の就航地すべてを巡った。2015年11月30日に就航した成田-ダラス線では、初便の搭乗記念品のひとつとして希望の鶴が乗客に手渡された。
プロジェクトを始めたのは、成田を拠点に乗務する5人の客室乗務員。今年からは羽田でも同様の取り組みがスタートし、成田・羽田発着の国際線だけではなく、国内線でも希望の鶴は旅を続けている。プロジェクト立ち上げ時から関わる中心メンバーの一人、客室乗務員の葛西恵理さんは、昨年のバザー会場で集めた寄せ書きを手に、石巻を訪れたと話す。
「一度きりではなく、長く続けていきたいです」と、葛西さんはこれからも鶴を通じた東北応援を続けていきたいという。
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