エアバスは現地時間2月10日、A350-1000型機初号機の最終組立を仏トゥールーズで開始したと発表した。3機製造する飛行試験機のうちの1機で、初飛行は2016年後半を予定している。初号機の引き渡しは、2017年中ごろとなる見通し。
A350-1000は、3機種あるA350 XWBファミリーで最長となる長胴型。前胴は独プレミアム・エアロテック社で組み立てられ、エアバスのハンブルク工場へ送られる。機首は仏ステリア・エアロスペースで組立後、仏サン=ナゼール工場へ運ばれる。前胴と機首はサン=ナゼール工場で結合され、最終組立工場がある仏トゥールーズへ大型輸送機「ベルーガ」で運ばれる。
A350-1000の全長は73.78メートルで、66.8メートルの標準型A350-900より6.98メートル長い。座席数はメーカー標準仕様で3クラス366席で、A350-900の325席より41席多い。航続距離は7950海里(1万4350キロ)、最大離陸重量は308トンとなる。エンジンは英ロールス・ロイス製トレントXWB-97を搭載する。
また、A350-900と最大限共通化しており、ラバトリー(洗面所)やギャレー(厨房設備)の最適化や、新型の機内エンターテインメント(IFE)システムを導入している。
2015年12月末現在、A350 XWBは41顧客から777機を受注。このうち、A350-1000は10顧客が181機を確定発注している。
日本の航空会社では、日本航空(JAL/JL、9201)がボーイング777型機の後継機として、A350-900とA350-1000を合わせて最大56機導入。確定発注はA350-900が18機、A350-1000が13機の31機で、オプションの残り25機の機種は今後決定する。運航開始は2019年の予定で、777を6年程度で置き換える。A350-1000は長距離国際線用777-300ERの後継となる見通し。
エアバスではA350 XWBの増産に向け、ベルーガの後継機「ベルーガXL」を開発し、2019年に就航させる。
エアバスは現地時間2月10日、A350-1000型機初号機の最終組立を仏トゥールーズで開始したと発表した。3機製造する飛行試験機のうちの1機で、初飛行は2016年後半を予定している。初号機の引き渡しは、2017年中ごろとなる見通し。
これまではパーツを製造
・エアバス、A350-1000の組立開始 初飛行は16年後半(15年9月25日)
・エアバス、A350-1000主翼の組立開始 英工場で(15年8月24日)
A350-1000関連
・エアバス、ベルーガXLの製造開始 A350増産に対応(15年12月22日)
・エアバス、A350-1000用エンジンの飛行試験開始 JALも導入(15年11月6日)
・ジャムコ、エアバスにA350 XWB用新型ギャレー供給 18年から(15年6月18日)
・日航、A350で777置き換え 777X採用ならず(13年10月7日)
A350-900関連
・ジャムコ製シート、TAM航空のA350に初搭載 ビジネスクラスに(16年2月5日)
・エアバス、航続距離延長型A350-900ULRローンチ シンガポール航空、米国線に(15年10月14日)
・青緑のA350、成田に降り立つ 写真特集・ベトナム航空A350-900、日本初の商業飛行(15年9月21日)
・「静かで快適」は本当? エアバスA350に乗ってみた(14年11月21日)