天草エアライン(AHX/MZ)は1月7日、新造機の2代目「みぞか号」(ATR42-600型機、登録番号JA01AM)を地元の天草空港で初披露した。2月20日に就航する。
天草エアラインは小型機1機のみで運航する航空会社。唯一保有する「みぞか号」を16年間運航してきが、2月19日で退役。2代目のATR42-600にバトンタッチする。ATR機の導入実現は日本では初めてで、デザインは初代の親子イルカを踏襲し、左エンジンは「はるちゃん」、右は「かいくん」と名付けられた子供のイルカが描かれている。
「みぞか」は「かわいい」を意味する天草の方言。現在運航している初代みぞか号はボンバルディアQ100(DHC-8-Q100)型機(登録番号JA81AM、39席)で、2000年3月23日就航。天草エアラインが運航する天草-福岡線と熊本線、熊本-伊丹線の全3路線を運航してきた。
2代目のATR42-600は、2015年8月21日に熊本空港へ到着。9月29日には地元自治体などを招いた内覧会が、同空港内で開かれた。座席数は初代より9席多い48席で、エンジンはプラット・アンド・ホイットニー・カナダ製PW127Mを2基搭載。コックピットはエアバスA380型機の技術を取り入れたグラスコックピットで、最新の航法機器を装備する。
ワインレッドの客室内装はイタリアのデザイナー、ジョルジェット・ジウジアーロによる「ARMONIAデザイン」で、イタリア語で調和を意味する。機体下部には熊本県の人気キャラクター「くまモン」がサンタクロースに扮した「モンタクロース」を描いた。
貨物室は機体の前後に1カ所ずつ設けられ、コックピットと客室の間と機体後部に設けられている。このため、後部ドアから乗り降りする。
7日はこれまで訓練を実施していた熊本空港から天草空港まで機体を回送。到着時は空港の消防車による放水アーチの歓迎を受け、横断幕を持った客室乗務員らが出迎えた。その後、安全祈願祭が執り行われ、天草空港での訓練を開始した。今後は2月20日の就航に向け、天草空港で訓練を重ねていく。
天草エアラインの吉村孝司社長は、「静かで快適な機体。15年以上長持ちさせたい」と話し、「席数が増えたので、団体客にも乗ってもらえるようにしたい」と抱負を述べた。
同社は現在、2代目みぞか号への乗員訓練のため、天草-福岡線のみ運航している。9人のパイロットのうち、8人がATR42に乗務する。
*写真特集はこちら。
・前編 翼振って天草到着
・後編 CAもモップ手に機体清掃
関連リンク
天草エアライン
写真特集・天草エア2代目みぞか号地元入り
・前編 翼振って天草到着(16年1月11日)
・後編 CAもモップ手に機体清掃(16年1月13日)
写真特集・天草エアラインATR42 2代目「みぞか号」
・機体編 親子イルカ塗装を踏襲(15年10月4日)
・機内編 客室前方は対面シート(15年10月4日)
・天草エアライン、ATR42「Newみぞか号」公開 国内初導入(15年9月29日)
・天草エアライン、日本初のATR機が熊本到着 ファンサービスも(15年8月21日)
・天草エアライン、日本初のATR機受領 16年1月から運航(15年8月14日)
・天草エアライン、IATAコードはMZ 由来は”みぞか”(15年11月14日)