ブラジルのエンブラエルは、次世代リージョナルジェット機「E2」シリーズ3機種のうち、最初の機体となる「E190-E2」を2016年2月25日にロールアウトすると、現地時間12月23日に発表した。
E2シリーズは、現行のエンブラエル170(E170)とE175、E190、E195で構成する「Eジェット」の後継機。座席数は2018年にシリーズ初の引き渡しが始まる「E190-E2」が1クラス106席、2クラス97席で、2019年納入開始の「E195-E2」は1クラス132席、2クラス120席とやや大きく、2020年に引き渡しを始める「E175-E2」は1クラス88席、2クラス80席となる。
三菱航空機が開発を進める「MRJ」と同じく、低燃費と低騒音を特徴とする米プラット・アンド・ホイットニー(P&W)製GTFエンジンを採用。座席数も1クラス92席の「MRJ90」や、1クラス78席の「MRJ70」と競合する。
エンブラエルのEジェットは、リージョナルジェット機のベストセラー。日本の航空会社では日本航空(JAL/JL、9201)グループのジェイエア(JAR/XM)がE170(76席)を、フジドリームエアラインズ(FDA/JH)がE170(76席)とE175(84席)を導入している。
一方で、三菱航空機と三菱重工業(7011)は12月24日に、MRJの量産初号機のANAホールディングス(9202)への納入時期を、当初予定より1年ほど遅らせ、2018年中ごろにすると発表。従来MRJは性能の高さを売りにしてきたが、開発の遅れにより高い市場シェアを持つエンブラエルの次世代機と初号機の納入時期が近づくことから、今後の受注合戦で優位性を発揮しにくくなる可能性もある。
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