全日本空輸(ANA/NH)は、2016年1月から愛媛県が開発したデルフィニウムの新品種「さくらひめ」を活用した地域ブランディング活動を実施する。元日に実施する初日の出フライトや、羽田発着の地元・松山便などで、客室乗務員がさくらひめのコサージュを着用し、県とさくらひめをピーアールする。
さくらひめは県の農林水産研究所が開発し、2月に品種登録された。一般的には青いデルフィニウムをピンク色に品種改良したことから、サクラを想起する名前を付けた。県では、草丈が長く大型で花数が多いことから、入学式や卒業式、結婚式などを祝う花として訴求。働く女性にさくらひめや県の魅力を知ってもらう。
一方、ANAではグループ社員の自発的提案活動「ANAバーチャルハリウッド」の企画として、整備士の田中洸史郎さんや小南(こみなみ)輝幸さんら10人のメンバーが、今年度に入り「『花』を通じて地方と都会、その先に人のつながりを築く」をテーマに活動を検討していた。同時期に愛媛県からさくらひめの活用について相談があったことから、両者の協業が実現した。
さくらひめのプロ-モーション活動の一環として、2016年1月1日に羽田発着で運航される初日の出フライト乗務する客室乗務員が、さくらひめのコサージュを着用。4日から11日までは、羽田-松山線と伊丹発着の一部便で、さっぽろ雪まつりが開催される2月には、羽田-札幌線で4日から11日までの一部便でも着用する。
成田と羽田のラウンジには、受付にさくらひめを置く。
また、ANAの客室乗務員がさくらひめをイメージした商品開発などで、企画やアンケートなどに協力。ANAは県がメインターゲットと設定している20代から40代の働く女性向け旅行商品の開発などで、県と連携していく。
愛媛県の中村時広知事は12月22日、東京・汐留のANA本社を訪れ、篠辺修社長にさくらひめの花束を贈呈。客室乗務員の田中綾乃さんと保田香織さんには、コサージュと県の名産品である宇和島真珠を使った飛行機型タックブローチがプレゼントされた。
中村知事は「サクラと見間違えるほどの色で、ピンク色に染め上げるのは高度な技術が必要で、10年間掛かった。全国のフラワー賞でも金賞を受賞している」と、県の技術とさくらひめの美しさをピーアール。「生産量日本一を誇る真珠や今治タオルといった既存のものと合わせて展開していきたい」と抱負を語った。
篠辺社長は、「松山発着路線では、さくらひめを知っているお客様も多いのではないか。この先もポイントごとに、賑やかしになることをやっていきたい」と語った。
*ANAバーチャルハリウッドメンバーの整備士や客室乗務員へのインタビューを、別途掲載します。