全日本空輸(ANA/NH)は11月22日、映画『スター・ウォーズ』のキャラクターを描いた特別塗装機「スター・ウォーズANAジェット(STAR WARS ANA JET)」を就航させた。21日に伊丹空港にあるグループ会社の格納庫で公開された同機は、22日朝の伊丹発羽田行きNH14便が初便となった。
スター・ウォーズジェットは、ボーイング767-300ER型機の国内線仕様機(登録番号JA604A)を使用。12月18日公開の新たな3部作の1作目『スター・ウォーズ/フォースの覚醒』に登場する新キャラクタ-「BB-8」を機体右側後方に、シリーズ第1作目から登場しているロボットで、ANAのコーポレートカラーのブルーと親和性のある「R2-D2」を左側に描いたデカールを貼り付けた。再塗装も含めると、完成までに14日間を要した。
座席数は270席(プレミアムクラス10席、普通席260席)。機内には同機専用デザインの紙コップや、ヘッドレストカバーを用意する。初便以降は、全国各地へ運航する。
作業はANAを傘下に持つANAホールディングス(9202)などが出資する、MRO(整備・修理・分解点検)を手掛ける新会社「MRO Japan(MROジャパン)」が、伊丹空港に構える格納庫で実施。ANAグループの整備会社、全日空整備を前身とする同社の格納庫は、「ジャンボ」の愛称で親しまれたボーイング747型機の整備にも使われていた。今も「B747」と書かれた停止線など、当時の面影を残す。767の特別塗装機では、古くは「マリンジャンボジュニア」(JA8579)、最近では創立60周年記念の「ゆめジェット」(JA8674)が、“特別塗装の名門”生まれだ。
8日に格納庫入りした機体は、薬剤などで一度塗装をはがした後、白やブルーなどの塗料を塗った上でクリアコートを施し、18日から21日にかけて塗装の上にデカールを貼った。貼り付け作業の仕上げには、Facebook(フェイスブック)で募ったファンも参加した。
MROジャパンによると、今回のR2-D2やBB-8のように、グラデーションで細かい表現を求める絵柄は、デカールによる仕上げでないと難しいという。
スター・ウォーズの特別塗装機は全部で3機となる予定。初号機「R2-D2 ANA JET」はボーイング787-9の国際線仕様機(JA873A)で、10月18日夜の羽田発バンクーバー行きNH116便で国際線定期便に就航。3機目となる「BB-8 ANA JET」は、BB-8を機体全体にデザインした機体で、ボーイング777-300ER型機の国際線仕様機(JA789A)を使用し、2016年3月から北米線に就航する。
3機の特別塗装機は、ウォルト・ディズニー・ジャパンとANAが締結したスター・ウォーズブランドを活用する契約に基づくもの。ANAは、2020年3月までの5年間「STAR WARSプロジェクト」を展開する。国際線事業の強化を進めていることから、同プロジェクトを通じて、ANAブランドの世界的な認知度向上や他社との差別化を進めていく。
*写真は26枚(機体外観・機内)。
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